米国小売業news|’24ホリデーシーズン売上高は過去最高の1.2億ドル
顧客管理ソフト会社のセールスフォース(Salesforce)は1月6日、2024年のホリデーシーズンのオンライン売上高が、グローバルで過去最高の1兆2000億ドル(1ドル157円換算で188兆4000億円:前年比3.0%増)、国内で3.7%増の2820億ドル(44兆2740億円)、欧州連合(EU)では1%増だったと発表した。
グローバルでのオンライン売上高のうち2290億ドル(35兆9530億円)は Aiエージェントによる商品の推薦や消費者をターゲットにした販促の影響を受けた。ホリデーシーズンの買物の19%は Aiエージェントを利用して購入されており、前年比で6%増加した。小売業でのAiエージェント活用は前年比で25%増加、買物客でAiエージェントによる顧客サービスのチャットを利用した消費者は42%増えた。
TikTokやインスタグラムを活用したソーシャル・コマースは、グローバルでホリデーシーズンの売上げの20%を占めた。モバイル機器による買物は79%で前年と変わらなかったが、実際の注文は3%増加して70%となった。クリスマスの日がモバイル注文最大の日で、全体の79%を占め、2023年の77%を上回った。全体ではグローバルで8420億ドル(132兆1940億円)、国内で1950億ドル(30兆6150億円)の購入がモバイル機器によるものだった。
2024年のホリデーシーズン全体の平均割引率は、グローバルで22%(前年比2%増)、国内で23%(1%増)だった。最も割引率が高かった商品は、グローバルではメークアップ用品36%、一般アパレル30%、スキンケア28%、国内では一般アパレル33%、ヘルス&ビューティ用品29%、家庭用品・装飾品18%となっている。
一方、返品された額は既に1220億ドル(19兆1540億円)に達していて、前年比で28%増えている。これは小売業による利便な返品対応の結果で、最終的には1330億ドル(20兆8810億円)に達すると予想されている。国内の買物客の75%は、返品や取り替えでの Aiエージェントの利用に興味をもっていることが明らかになった。
セールスフォースは、返品率が前年の20%から28%に増加していることを「重大な懸念要素」とし、利益率低下をもたらす可能性があるとしている。
返品率の増加は、複数の商品を購入して一部を返品する消費習慣が若年層を中心に増えていることによる。スマートフォンから AIで推奨された商品を取り寄せ、気に入ったものだけを残して後は返品し、代金は後払いする仕組みだ。