Krogerが48四半期連続既存店増収記録更新‼ 新PB「HemisFares」も発売
クローガーがとうとう48四半期連続の、既存店増収記録を更新した。
全米スーパーマーケットナンバー1にして、全米チェーンストア第2位。
あの競争の激しいアメリカで12年間ずっと、既存店の売上げが伸び続けている。
クローガーの2015年度第3四半期は、売上高250億8000万ドル。
これは前年同期比でプラス0.4%。
ただしガソリン販売を除くと5.5%の増加。
焦点の既存店売上高は5.4%の増加。
純利益は4億2800万ドルで、18.2%のプラス。
粗利益は22.3%で、1.4%の改善。
販管費も0.8%増えたものの、それでも16.6%と驚異的。
結果として、営業利益率は3.1%で、こちらは0.5%のプラス。
経営数値は上げるべきもの、下げるべきもの、そして一定に保つものがある。
粗利は上げる、販管費は下げる。営業利益は上げる。
そう思いがちだが、48四半期連続増収は、営業利益を「一定に保つ」を基準にしている。
日本で言うプライベートブランドは金額にして25.9%、数量にして27.7%の構成比。
とりわけ2013年秋から新発売された「Simple Truth」ブランドは、オーガニック認証を受けた「Simple Truth Organic」と合わせると2700アイテム近くまで拡大して、発売から1年半で売上高12億ドルとなっている。
さらにクローガーは新しいプライベートブランドを開発した。ネーミングは「HemisFares」で、これはエスニックグルメのプライベートブランド。
その第1弾は9月に2週間限定で展開した「Taste of Italy」プロモーションで発表された「Hemis Fares Sicilian Gelato」(へミスフェア・シチリア・アイスクリーム)。これはナショナルブランドに比べて20%ほど高価なクォリティブランドだが、「Hemis Fares」のイタリア食品は27品目展開され、今後、品ぞろえを拡充していく。
オーガニックではホールフーズをターゲットとし、イタリアンではイータリーをベンチマークする。スーパーマーケットとしてマーケットリーダーのクローガーの全方位フルライン戦略は絶好調。
クローガーは先月、ウィスコンシン州、イリノイ州のローカルチェーン「ラウンディーズ」を買収した。その買収額は1億7800万ドル。120円換算で213億6000万円と、151店舗の買収としてはいい買い物だったが、負債を含めた総額は約8億ドル、960億円。
ラウンディーズはイリノイ州の中心部シカゴでは、有名な「マリアーノス(Mariano’s Fresh Market)」を展開し、ウィスコンシン州では「メトロマーケット(Metro Market)」「ピックン・セーブ(Pick’n Save)」「コップス・フードセンター(Copps Food Center)」のバナーでドミナントを築いているが、結局は競争に負けて、過大投資をして、吸収合併に追い込まれてしまった。
クローガーは2013年7月に東海岸のアップスケール型スーパーマーケット「ハリスティーター(Harris Teeter)」を25億ドルで買収し、昨2014年1月に完了しているが、マリアーノスもこのハリスティーター路線で改革していくに違いない。そのとき、「Simple Truth」と「HemisFares」は改革の武器として有力なプライベートブランドになるだろう。
【追伸】クローガーに関しては発刊中の月刊『商人舎』11月号「Kroger&HEB」をご参照ください。
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