イオン商品調達㈱の仕入れ機能をイオンリテールへ移管

イオンのグループ経営体質の確立に向けた組織改革は、今年2月1日付で発表されたが、第1四半期を終えて、それが加速してきた。
狙いは「お客さま第一」「地域密着」「現場主義」を標榜しつつ、「事業会社の自立的経営」「地域密着経営の深耕」を図っていくことにある。

6月1日に発表された商品組織の改革および人事異動もその一つ。

グループの商品調達を担ってきたイオン商品調達㈱の機能を、中核子会社のイオンリテール㈱に移管する。2007年5月に設立されたイオン商品調達は、NB(ナショナルブランド)商品を中心に、グループ各事業会社の仕入れを集約することによって、調達コストの削減や商品原価の引き下げを行ってきた。その売上げ規模は約7000億円。
日経ビジネス誌は、特集「イオンの変革」の中で、この機能会社であるイオン商品調達を5月末で解散させると報じているが、今回の商品組織の改革についての発表では、解散には触れていない。

 

イオンは、イオンリテールへの機能移管によって、スケールメリットの追求とお客さまの多様なライフスタイルやニーズへの迅速な対応を両立させるとしている。これまで以上に地域に密着した商品調達や商品の品質向上を実現することを目的としている。

 

機構改革の内容は、以下の通り。

イオンリテールの商品担当直下に、商品調達管理統括部を新設し、その組織下に商品調達輸入業務部、商品調達管理部を配置する。
・食品商品企画本部組織下に、グループ生鮮調達統括部とグループNB調達統括部を新設する。
・グループ生鮮調達統括部組織下に、農産調達部、水産調達部、畜産調達部、生鮮原材料コーディネーター部を配置する。
・グループNB調達統括部組織下に、グロッサリー調達部、デイリー調達部を配置する。
・H&BC商品企画本部組織下に、グループ商品調達部を新設する。

今回のリリースをもとにイオンリテールの商品部の組織図を商人舎が独自に作成してみた(イオンリテールの組織図とは異なる)。
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2月1日付けで発表された機構改革では、ホールディングス会社イオンに配置されていたグループ商品機能、グループマーケティング機能をイオンリテール本社ならびに各地域カンパニーに移管し、地域カンパニー単位での経営執行力を強化する。そのために営業・商品統括および営業担当を廃止し、東北カンパニー、北関東・新潟カンパニー、南関東カンパニー、東海・長野カンパニー、近畿・北陸カンパニー、中四国カンパニーを社長直轄組織とする。この二つだった。

再び日経ビジネス誌の情報で恐縮だが、イオン商品調達の仕入れ機能は、この6つの社内カンパニーに分散して吸収され、社員など150人は、イオンリテールに配置転換される。


地産地消という大きなトレンドに対応し、STPのマーケティングを展開するために、エリアカンパニー体制を強化したイオンリテールが、この局面で商品調達を主導していくのは、ある意味で当然の策ではある。

本来ならば、イオンリテールだけでなく、全国のマックスバリュなどスーパーマーケットや、ウェルシアをはじめとするドラッグストア、さらにダイエーまで全てのグループ内業態に対して、イオン商品調達は機能しなければならなかった。壮大な構想ではあるし、これぞ現代版の流通革命だが、しかしそれは果たせなかったということだろう。ただし、機能会社が担っていたコモディティ商品調達には一定の成果が上がったという意味づけもできるのだろう。

1993年にダイエーが商品部組織に加えて、㈱エマックを新設して、今回のイオンの機能会社のような仕組みづくりを企図したことがある。しかしそれは頓挫した。結局は、総合商社のような存在となり、それが小売業の商品部としての枠を逸脱したからにほかならない。今回、イオン商品調達はダイエー・エマックと同じ轍を踏んだのかもしれない。それは取材を重ねなければ判明しないことだが、当事者がそれを語るかどうかもわからない。

 

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