6月百貨店統計|中元ネット需要とセール1日前倒しで売上高1.4%増

日本百貨店協会が6月の百貨店売上高概況を発表した。調査対象店舗は80社229店で前月と変わらず。売上高は4720億3051万円、1.4%増と2カ月ぶりにプラスとなった。

国内消費では、円安株高により富裕層の高額消費が増えた。インバウンドは184億円、41.4%増と好調に推移した。この二つが売上げを押し上げた。後半は総じて気温が高かったことが夏の季節商品の売上げを伸ばした。また多くの店舗でクリアランスセールを6月末から始めたこともプラス要因となった。

地区別に見ると、主要10都市は対前年同月比2.4%、4カ月連続で好調。
プラスとなったのは8都市で、大阪7.3%、福岡5.0%、札幌4.8%、仙台4.1%、京都2.4%、東京1.1%、横浜0.6%、名古屋0.6%。このうち札幌と大阪は6カ月連続でプラスと好調が続いている。また京都は15カ月ぶり、東京は11カ月ぶりで久々に回復傾向となった。
一方マイナスは、広島▲1.4%、神戸▲0.5%の2都市だった。広島は9カ月減少が続いている。

10都市以外の地域は▲0.7%。2カ月連続でマイナスとなった。
プラスとなったのは、2都市。関東は0.8%で2カ月ぶり、東北は0.2%で20カ月ぶりにプラスに転じた。マイナスは、近畿▲5.2%、北海道▲3.1%、中部▲1.8%、九州▲1.2%の4都市。中国と四国は横ばいだった。

主要5品目の6月の動向を見ると、雑貨と身のまわり品が前年同月を上回った。
[雑貨] 864億7384万円、7.9%と7カ月連続でプラス。インバウンド効果で化粧品は16.7%と二桁増で27カ月連続。高額商品の美術・宝飾・貴金属も4.6%と3カ月連続でプラスとなった。
[身のまわり品] 598億8361万円、2.8%で2カ月ぶり。ラグジュアリーブランドが好調だった。

一方、マイナスだったのは家庭用品、衣料品、食料品の3項目。
[家庭用品] 200億3811万円で▲6.3%、18カ月連続減と苦戦が続く。家電は2.2%と7カ月ぶりにプラスとなったが、家具は▲12.4%で2カ月ぶりにマイナスだった。
[衣料品] 1355億8279万円、▲0.5%で20カ月連続でマイナス。子供服は4.6%と好調だったが、紳士服、婦人服はマイナスが続いている。
[食料品]1411億8542万円で▲0.3%で3カ月ぶりのマイナス。菓子と惣菜はプラスだが、生鮮食品は▲2.5%となり、39カ月、3年以上減収だ。

6月は中元商戦の前半だが、店頭受注は減少気味の一方、ネット販売は好調で、ほぼ前年並み。またプレミアムフライデーは、クリアランスセール初日と重なった店舗が多く、限定商品の購入やイベント参加者の増加につながった。

大手百貨店グループの6月の業績は下記のとおり(%はすべて対前年同月比)。

㈱三越伊勢丹ホールディングス
国内百貨店事業(三越伊勢丹計+国内グループ百貨店計)▲1.3%。
三越伊勢丹合計は▲2.5%。
夏物雑貨や食品、化粧品、日用品の動きは良かった。衣料品は冷房対応の羽織ものなどが好調だったが、全体的にはマイナスだった。お中元は、インターネット受注が伸びて前年実績を上回った。

J.フロント リテイリング㈱  +5.8%
化粧品、ラグジュアリーブランド、宝飾品などインバウンド需要が売上げを伸ばした。また6月30日からクリアランスセールをスタートし、わずか1日だが売上げに貢献した。

㈱髙島屋 +4.7%
㈱髙島屋および国内百貨店子会社17店舗 +4.4%
インバウンド売上需要は、37.6%と大幅な伸び率。こちらもクリアランスセールを昨年より1日早め、6月30日に開始しプラスとなった。

エイチ・ツー・オー リテイリング㈱  百貨店は+5.1%
雑貨が17.1%と二桁の伸び。身の回り品は6.1%、食料品は2.8%、衣料品は1.0%。家庭用品だけが▲2.4%と振るわなかった。

6月は三越伊勢丹ホールディングスだけがマイナス。エイチ・ツー・オー リテイリング、髙島屋、J.フロント リテイリングは伸び率も高く好調だった。

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