3月百貨店売上速報|4社ともに客数回復・高額品好調で前年クリア

主要百貨店4社の3月売上高が発表された。既存店売上高は三越伊勢丹百貨店は前年比113.0%、大丸松坂屋百貨店は107.4%、阪急阪神百貨店は104.5%、高島屋は106.1%だった。

(株)三越伊勢丹ホールディングス(東京都新宿区、細谷敏幸社長)の総売上高は前年同月比113.0%。伊勢丹新宿本店の店頭売上げは前年比116.2%、日本橋本店は108.4%、銀座店は120.4、浦和店は108.8%と伸長した。立川店のみ、97.0%で前年を下回った。「まん延防止等重点措置」の解除などの影響で、グループ全体で売上・客数ともに2月の前年比から伸長した。国内百貨店計の売上げは6カ月連続、首都圏三越伊勢丹計の売上げは7カ月連続で前年を上回った。

伊勢丹新宿本店と三越日本橋本店では、顧客ロイヤルティの高いラグジュアリーブランド等の高付加価値な商品への購買意欲が引き続き高く、時計や宝飾に加え、オケージョンニーズの回復などを背景に、春夏物の新作を中心にハンドバッグ、婦人靴なども好調に推移した。

J.フロントリテイリング(株)(東京都中央区、山本良一社長)は、大丸松坂屋百貨店合計が前年同月比106.3%。博多大丸、高知大丸を含む百貨店事業全体では既存店106.8%。入店客数の増加や、ラグジュアリーブランド、宝飾品の好調などにより、直営13店舗中10店舗と博多大丸が前年実績を上回った。 大丸松坂屋百貨店合計の免税売上高は対前年25.1%増(客数8.1%減、客単価36.2%増)であった。

エイチ・ツー・オーリテイリング(株)(大阪市北区、荒木直也社長)の(株)阪急阪神百貨店(大阪市北区、山口俊比古社長)は前年比104.5%。阪急本店が前年比106.9%、阪神梅田本店が135.7%だった。

3月の来店客数は、「まん延防止等重点措置」適用期間中は年配層を中心に前年を下回る傾向が続いていたが、解除後は年配層に加え、家族連れや遠方からの来店が見受けられるようになった。加えて中旬以降の気温の上昇も影響し、春物の動きが活発化した。全店売上高は前年実績を上回る結果となった。

また阪神梅田本店は、昨年2月に開催していた大型催事が3月開催となったことから、売上高が前年より35.7%も伸びた。阪急本店では、春需要に回復傾向が見られ、婦人・紳士ファッション全般が売上高前年比二桁増と好調。リモートショッピングサービス「Remo Order」の売上高は前年の約2倍と大きく伸長した。

(株)高島屋(大阪府大阪市、村田善郎社長)の店頭売上高は、高島屋単体の11店舗で既存店前年比106.2%、国内百貨店子会社3社を加えると前年比106.1%だった。

3月は外出機会の増加や前年度の時短営業の反動に加え、高額品が引き続き好調に推移したことから、前年実績を上回った。商品別売上高では、紳士服、紳士雑貨、婦人服、婦人雑貨、特選、宝飾品、スポーツ、リビング、美術、食料品などが前年実績をクリアした。

 

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