ファストリnews|バングラデシュ初の労働災害保険プログラムを支援
(株)ファーストリテイリング(山口県山口市、柳井正会長兼社長)は6月28日(火)、バングラデシュにおける労働災害時の労働者への収入保障と医療補償を目的としたパイロットプログラムへの支援を表明した。
ILO(国際労働機関)が主導して2022年6月21日に発足したこの労災補償スキーム(Employment Injury Scheme 、EIS)は、労働災害による収入減から労働者を保護する、バングラデシュでは初の制度。4年の試行期間を経て、制度の恒久化を目指している。
労働災害で障害または死亡に至った場合に、負傷した労働者とその家族が補償を受けられる枠組みを実現するEISは、バングラデシュの経済成長と、適正な労働環境の確立に向けた重要なマイルストーンである。
同パイロットプログラムの取り組みを監督するため、バングラデシュ政府の招集により、労働雇用省および、使用者と労働者の代表で構成する委員会が発足した。
プログラムの構想および設計は、ILOの業務災害給付条約に則り、ILO主導により進められた。ILOはさらに、ファーストリテイリングなどの企業による同プログラムへの参画を促進する役割を果たしている。
ファーストリテイリングは、EIS立ち上げに当たって支援を表明した6ブランドのうちの1社で、パイロットプログラムへの資金拠出を行うことを誓約している。
今回のEISへの支援は、アジアの労働者の労働環境整備に向けて、ファーストリテイリングが2019年からILOと締結しているパートナーシップに続くもの。ILOとのパートナーシップのもとファーストリテイリングは、インドネシアにおいて公的雇用保険制度の創設によるセーフティネットの確立を目的とした、民間資金プロジェクトを支援してきた。このプロジェクトは、ILOが主導する民間資金による社会保障の取り組みの中では最大のプロジェクトで、2020年11月にインドネシアの法律として成立している。