アオキスーパーnews｜Helical Fusionと電力売買契約を締結

(株)アオキスーパー(愛知県名古屋市、青木俊道社長)は、フュージョン(核融合)エネルギー実用化を主導する「ヘリックス計画(Helix Program)」のもと、日本独自のヘリカル型核融合炉を開発する(株)Helical Fusion(東京都中央区、田口昂哉社長)と、フュージョンエネルギーによる電力売買契約を締結した。

フュージョンエネルギーは、太陽のエネルギーを生み出している核融合反応を地球上で再現することにより、高効率で持続可能なエネルギーを実現する技術として、世界中で開発・社会実装が期待されている。1930年代にその原理が提唱されてからこれまで、主に、高度な知見を要する研究・技術開発の側面が注目されてきた。一方で、この技術がエネルギーインフラとして社会実装へ向かうには、実際にフュージョンエネルギーを「使おう」という需要家(ユーザー)の存在が不可欠である。

Helical Fusionは、フュージョンエネルギーによる「実用発電」を目指した「ヘリックス計画(Helix Program)」のもと、単なる核融合研究にとどまらず、ベースロード電源を担える発電プラントにこだわって開発を進めている。

今回の電力売買契約締結は、日々大量の電力を必要とするアオキスーパーという需要家によって、Helical Fusionのアプローチが具体的に評価されたものと言える。そして、フュージョンエネルギーの実現が、環境にやさしいスーパーマーケットを通して生活を支える、というアオキスーパーの考え方に合致することについても、両社間で合意に至った。

Helical Fusionは、2021年に大学共同利用機関法人 自然科学研究機構 核融合科学研究所における核融合に関する研究成果を活用して創業した、ヘリカル型核融合炉によるフュージョンエネルギーの実用化を目指す企業。日本独自の核融合炉形式である「ヘリカル方式」は、これまでの国立大学や公的研究機関における約70年にわたる研究開発の結果、商用発電所に最も適した性質を備えた方式であることが示されている。その知見を活かして実用化を進める世界で唯一の企業として「ヘリックス計画(Helix Program)」を進めている。ヘリックス計画では、2020年代中をめどに二大開発要素「高温超伝導マグネット」｢ブランケット兼ダイバータ」の個別実証を完了し、2030年代中には、最終実証装置「Helix HARUKA」による統合実証、および発電初号機「Helix KANATA」による世界初の実用発電を達成する計画だ。