三越伊勢丹news|1月国内百貨店5.5%減/首都圏基幹店「電子商務法」影響あり
(株)三越伊勢丹ホールディングス(東京都新宿区、杉江俊彦社長)が1月の売上速報を発表した。
三越伊勢丹7店舗の合計は92.2%、既存店でも96.2%と大きく減速した。伊勢丹立川店が100.1%で、なんとか前年をクリアしたが、ほかの6店舗は前年に届かなかった。
また、国内グループ百貨店10店舗計は98.0%。こちらも新潟三越伊勢丹が2.7%増だったが、ほかの9店舗は減収。とくに函館丸井今井は84.9%と落ち込んだ。
これにより、国内百貨店計は94.5%で、既存店計は97.0%だった。
商品別では、ラグジュアリーブランドが堅調に推移した。しかし、防寒着など冬物衣料が伸び悩み、セールでも売上げを伸ばせなかった。基幹店は、婦人、紳士共にジャケット、パンツ、ブラウスなど、暖冬の影響もあって春物衣料に動きが見られた。
免税売上げは、地域店では堅調に推移した。しかし、中国の経済減速に加えて、円高元安や電子商務法の施行などが重なり、首都圏三越伊勢丹の既存店は低迷した。
「電子商務法」(中華人民共和国電子商務法)は、1月1日に施行された。代理購入業者は「電子商務経営者」とされ、個人であっても中国国内での登録と納税が必要になる。また電子商務経営者が越境ECを行う際は、輸出入監督管理などの関連法律・法規を順守する義務を負う。これによって日本のインバウンド消費にも大きな影響があると予測されていた。免税売上げで一息ついていた百貨店はその影響を1月からもろに受けた形になった。