コスモス薬品news|’20年5月期売上高6844億円12%増・経常利益15.6%増

(株)コスモス薬品(福岡県福岡市、横山英昭社長)の2020年5月期連結決算は、売上高が6844億0300万円(前年同期比12.0%増)、営業利益が290億9400万円(17.4%増)、経常利益315億6200万円(15.6%増)、純利益214億3500万円(11.7%増)の二桁増収増益だ。

営業利益率は4.3%、経常利益率は4.6%。

商品別の売上高は、医薬品が1051億8600万円(前年同期比110.3%)、化粧品695億6800万円(108.3%)、雑貨1090億8000万円(109.0%)、一般食品3926億2700万円(114.2%)、その他79億4000万円(103.6%)。売上高にしめる一般食品の構成比が57.4%まで上がってきた。

積極的な出店戦略によって、5月末の店舗数は1058店と、1000台の大台に乗せた。2019年度は関東地区に6店舗、中部地区に14店舗、関西地区に29店舗、中国地区に8店舗、四国地区に3店舗、九州地区に20店舗の計80店舗を加えた。相変わらず積極的な出店である。

一方で、インバウンド需要の急激な減速があったことから、インバウンド比率の高かった8店舗を閉鎖、またスクラップ&ビルドにより7店舗を閉鎖した。5月末時点で、関東地区7店、中部地区48店、関西地区159店、中国地区175店、四国地区114店、本拠の九州地区555店を展開する。

今期の連結業績は、売上高7230億円、営業利益291億円、経常利益316億円、純利益217億8000万円を見込んでいる。

【結城義晴の述懐】
5月が決算期のコスモス薬品は売上高12.0%増、営業利益17.4%増、経常利益15.6%増、純利益11.7%増。二桁増収増益で営業利益率4.3%、経常利益率4.6%。ディスカウント戦略を採用するから、5%を切る利益率だが、営業利益を経常利益が0.3ポイント上回って、コーポレートの営業外の強みを保有している。この業界で大流行のM&Aも志向せず、自力で出店して、二桁の成長を果たす。この基本戦略は米国のウォルマートそのものだ。そのうえ食品の売上げ構成比は5割を超えて57.4%まで上昇してきた。コロナ禍の巣ごもり消費で、今年度はさらに食品のシェアを向上させるに違いない。日本のスーパーマーケットは米国に倣ってフード&ドラッグを志向したが、まったくうまくいかなかった。しかし、コスモス薬品がドラッグ&フードのプロトタイプを完成させて、急速成長を続ける。その意味で、アメリカ流の経営戦略を徹底的に踏襲した成功例と評することができる。

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