三越伊勢丹news|第1Q1317億円53.3%減・経常損失99億円の赤字決算
(株)三越伊勢丹ホールディングス(東京都新宿区、杉江俊彦社長)が2021年3月期第1四半期の業績を発表した。
売上高は1316億9800万円(前年同四半期比53.3%減)、営業損失は89億8900万円(前年同四半期は営業利益80億5400万円)、経常損失は98億5900万円(同経常利益87億1700万円)、四半期純損失は305億8400万円(同純利益60億1600万円)となった。
新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言の発出を受け、同社グループは各店舗において臨時休業(一部店舗は部分休業、営業時間の短縮)をした。休業中に発生した固定費(人件費や地代家賃)について臨時性があると判断し、連結グループ各社において総額122 億円(連結子会社である三越伊勢丹において80億円)を「新型コロナウイルス感染症による損失」として特別損失に計上した。
主力の百貨店業は売上高1163億9400万円(55.4%減)、営業損失111億8500万円(前年同四半期は営業利益37億0600万円)。
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、4月から臨時休業(一部店舗では部分休業や営業時間の短縮)を実施したことと、訪日外国人の入国制限によってインバウンドの売上げがほぼ消失したことで、売上高は大幅に減少した。5月末に緊急事態宣言が解除され、営業を再開したが、その後も消費行動の自粛が続き、客数は前年を大きく下回った。
EC事業は休業期間中も一部営業を続け、店舗の営業再開に先行して全面営業を再開した。6月には新しいオンラインサイトやアプリをリリースし、オンラインでもオフラインでも同等のサービスが受けられるようインフラの整備を進めている。また、自宅にいながら販売員と繋がるOne to oneサービスにも着手した。
クレジット・金融・友の会業は、売上高74億1200万円(28.3%減)、営業利益14億2600万円(42.3%減)だった。
(株)エムアイカードは、グループ百貨店の店舗休業による取扱高減少や、緊急事態宣言中の外部加盟店利用の大幅減少、また取扱高の減少に付随した割賦残高の減少などにより、売上高・営業利益が当初計画値、前年値とも下回った。一方、販売管理費は自粛期間中の各種施策の停止や、店舗休業に伴って変動コストが減少した。
不動産業は売上高72億8100万円(±%)、営業利益13億9400万円(4.3%増)。
(株)三越伊勢丹不動産は賃貸管理物件が高稼働するなか、自社保有賃貸物件の更新料が増加したものの、解約物件の影響によって減収となった。一方、販売管理費の縮減により、営業利益は前年比較で微減にとどまった。
その他事業は売上高121億5000万円(38.1%減)、営業損失5億1300万円(前年同四半期は営業利益3億8700万円)。
新型コロナウイルス感染拡大のため、発表を延期していた2021年3月期通期の業績予想を発表した。売上高8230億円(26.5%減)、営業損失380億円、経常損失410億円、当期損失600億円を見込む。
また、新型コロナウイルス感染拡大の今後の影響が不確実な状況を踏まえ、繰延税金資産の回収可能性について第1四半期連結会計期間において検討を行った結果、連結グループ各社で総額53億円(三越伊勢丹で47億円)の繰延税金資産を取り崩すことも決定している。