バローnews|年商7302億円/HC反動減もSMは生鮮&惣菜が堅調

(株)バローホールディングス(岐阜県多治見市、横山悟社長)が2022年3月期の本決算を発表した。今期から「収益認識に関する会計基準」を適用していることから、前年同期との比較は行っていない。

2021年4月1日~2022年3月31日の連結業績は、営業収益7301億6800万円(前年同期7325億1900万円)、営業利益256億4800万円(212億0500万円)、経常利益283億9700万円(241億4000万円)、四半期純利益125億9200万円(90億1400万円)。収益認識会計基準等を適用しているため、営業収益は前期より200億7400万円の減少、営業利益は2200万円、経常利益も2200万円、それぞれ減少している。グループ店舗数は1294店。

営業利益率3.5%、経常利益率3.9%。

今期から「コネクト2030~商品・顧客・社会を繋ぐ」を戦略目標とする中期3カ年経営計画をスタートさせた。環境・社会課題への取り組みを通じて持続可能な社会を目指しながら、製造機能を活かした商品力の向上や来店目的を明確にした「デスティネーション・ストア」への転換を進めている。顧客との接点強化を担う自社電子マネー「LuVit(ルビット)カード」会員は376万人、アプリ登録会員は53万人に上っている。

2021年6月30日にアマゾンジャパン合同会社との協業により開始した、バロー高辻店(名古屋市昭和区)を配送拠点とするネットスーパーが順調な伸びを示し、商圏シェアの拡大にも寄与した。

スーパーマーケット(SM)事業の営業収益は4055億3700万円(前年同期3962億4800万円)、営業利益は149億0800万円(161億0300万円)。営業収益は前期より58億6300万円減少したが、営業利益への影響は軽微だった。

(株)バローでは、28店舗を「デスティネーション・ストア」へと改装して、生鮮の強化を図った。既存店売上高(収益認識会計基準等適用の影響を除く)が前年同期比で1.1%増加した。チラシに依存しないEDLP(エブリデー・ロー・プライス)を販売促進策とする店舗は、新店を含め65店舗になった。惣菜をはじめとするグループ製造商品やプライベート・ブランド商品の販売に注力するとともに、バロー、(株)アークス、(株)リテールパートナーズの3社間で締結した資本業務提携のもと、共同仕入れ・共同販売によるスケール・メリットの追求など、継続的な取り組みを進めた。SM店舗数は、2021年10月に子会社化した(株)八百鮮および(株)ヤマタの13店を含め、計312店となっている。

SMと惣菜専門店「デリカキッチン」を運営する中部フーズ(株)や前期に子会社化した大東食研(株)、当期に子会社化した八百鮮、ヤマタが営業収益の拡大に寄与した。営業利益については、バローにおける改装費用や人件費の増加、内食需要の反動減があった(株)タチヤの売上総利益の減少や開業費用の増加が影響した。

ドラッグストア事業の営業収益は1524億7400万円(前年同期1505億7500万円)、営業利益は29億5000万円(39億7800万円)。営業収益は前期より27億7500万円減少しているが、営業利益には影響していない。

9月に開設したV・drug岐阜大学病院前薬局(岐阜県岐阜市)では、服薬支援・医薬品情報提供など適切な調剤サービスを行うとともに、最新の調剤機器を導入した。

コロナ禍による消費行動の変化を踏まえ、LuVitアプリを活用して健康に関する情報発信や管理栄養士が考案したレシピ掲載、アプリ限定クーポンの配信を積極的に続けた。既存店売上高(収益認識会計基準等適用の影響を除く)は、マスク・衛生用品などの反動減から前年同四期比で1.9%減少となったものの、調剤部門が堅調に推移したほか、化粧品販売にも復調の兆しが見られた。営業利益については、開業費用や人件費の増加が影響した。

38店舗を新設、9店舗を閉鎖した。ドラッグストアの店舗数はグループ計478店(うち調剤取り扱い136店)となった。

ホームセンター(HC)事業の営業収益は1229億4700万円(前年同期1301億7700万円)、営業利益は50億6100万円(前年同期73億2700万円)。営業収益は47億円、営業利益は2200万円それぞれ前期より減少している。

建築資材や園芸用品が好調に推移したが、巣ごもり需要の反動減、2021年8月の天候不順等によって、営業収益が前年同期を下回った。既存店売上高(収益認識会計基準等適用の影響を除く)は、(株)ダイユーエイト、(株)ホームセンターバロー、(株)タイムの3社で前年同四半期比3.0%減少した。営業利益については、売上減少に伴う売上総利益の減少が影響した。ダイユーエイトで3店舗を新設、1店舗を閉鎖。ホームセンターバローで2店舗を新設、株式会社タイムで2店舗を新設し、HC店舗数はグループ計158店。

スポーツクラブ事業の営業収益は98億4700万円(前年同期91億4600万円)、営業損失は5億5900万円(前年同期営業損失19億3300万円)。前年に比べて休業店舗および休業期間が少なく、損益分岐点の低減に向けての固定費削減への取り組み効果もあり、営業損失が縮小した。緊急事態宣言区域の一部店舗で臨時休業や時短営業を行ったものの、感染対策を講じながら通常営業を行い、既存会員の維持や休会制度利用者の復帰促進に努めた。「スポーツクラブアクトスWill_G(ウィルジー)」を9店舗(うちフランチャイズ7店舗)新設し、6店舗(うちフランチャイズ運営5店舗)を閉鎖した。スポーツクラブ事業の店舗数はグループ計193店(うちフランチャイズ運営59店)。

次期は、営業収益7500億円(2.4%増)、営業利益227億円(7.0%増)、経常利益250億円(3.6%増)、当期純利益115億円(27.6%増)を見込む。

関連カテゴリー

決算 最新記事

一覧

最新ニュース

一覧