ファストリnews|第3Q売上収益1兆7651億円・営業利益19.0%増
(株)ファーストリテイリング(山口県山口市、柳井正会長兼社長)の2022年8月期第3四半期の連結業績は、売上収益が1兆7651億円(前年同期比3.9%増)、営業利益は2710億円(19.0%増)と、増収、大幅な増益だった。
また、期初に比べて円安となったことで、金融収益・費用は、外貨建て資産などの換算による為替差益など、ネットで781億円のプラスを計上した。
この結果、税引前四半期利益は3492億円(42.2%増)、四半期利益は2378億円(57.1%増)。円安が進んだことで、円ベースの業績は押し上げられたが、為替の影響を除いても、9カ月累計で過去最高の利益を達成した。
売上収益に対する営業利益率は15.4%。
国内ユニクロ事業は、売上収益が6409億円(前年同期比5.1%減)、営業利益は1190億円(0.4%減)。上期は、前年同期の業績のハードルが高かったことに加え、売れ筋商品に欠品が発生し機会ロスが生じたことから、大幅な減収減益となったが、第3四半期連結会計期間3カ月間は、売上収益は前年同期比8.7%増、営業利益は同76.2%増と、好調だった。
新型コロナウイルス感染症の拡大が収束し、外出ニーズが高まったことで、感動ジャケット・感動パンツやブラウスの販売が好調だったことに加え、ゴールデンウィーク商戦、ユニクロ感謝祭での販売が好調で、3カ月間の既存店売上高は同7.8%の増収となった。売上総利益率は、値引き販売を抑制し値引率が改善したことなどにより、同3.9ポイント改善した。また、売上高販管費率は、人件費や物流費を中心にオペレーションの効率化を進めたことで、同1.4ポイント改善した。
海外ユニクロ事業は、大幅な増収増益だ。売上収益は8412億円(13.7%増)、営業利益は1327億円(35.8%増)。円安が進んだことで、売上、営業利益とも押し上げられたが、現地通貨ベースでも過去最高の業績と好調だった。これは主に、その他アジア・オセアニア地区、北米、欧州(ロシアを除く)が大幅な増収増益だったことによる。グレーターチャイナは、新型コロナウイルス感染症に伴う行動規制による影響を受け、大幅な減収減益となった。
ジーユー事業は減収、大幅な減益だった。売上収益は1905億円(5.1%減)、営業利益は178億円(26.7%減)。生産や物流の遅延の影響を受け、キャンペーン商品をタイムリーに投入することができず、販売機会ロスが生じた。
グローバルブランド事業は大幅な増収となり、黒字に転換。売上収益は900億円(11.8%増)、営業利益は7億円の黒字。セオリー事業は増収減益だった。これは、中国大陸を中心としたアジア事業が減収減益となったことによる。プラステ事業は、生産や物流の遅延の影響を受け、欠品が生じたことで、売上を十分に拡大することができず、売上はほぼ前年並み、営業利益は若干の増益だった。コントワー・デ・コトニエ事業は、増収、赤字幅は大幅に縮小した。不採算店舗の閉店を中心とした事業構造改革を進めたことで販管費比率が大幅に改善した。
この結果、ファーストリテイリングでは2022年8月期連結業績予想を上方修正する。通期は売上収益2兆2500億円(前期比5.5%増)、営業利益2900億円(16.5%増)、当期利益2500億円(47.2%増)に修正。