[大手チェーン上半期]セブン&アイ・平和堂は増収増益、イオン増収減益、ユニー・ダイエー減収減益

10月上旬、総合スーパー各社の27年度第2四半期決算が出揃った。
2月期だから2014年3月から8月までの半年間の成績。

まずイオンは増収減益。
営業収益3兆4315億5100万円、昨年同期比プラス15.1%
営業利益433億6900万円、マイナス41.2%
経常利益486億0600万円、マイナス37.0%
経常利益20億2100万円、マイナス91.4%

イオンは消費税増税後の4月以降、購買頻度の高い日用品や生鮮品を圧倒的低価格で販売した「安い値!」プロモーションを実施。さらに高額消費、価格志向の消費の二極化に対応すべく、プライベートブランド「トップバリュ セレクト」「トップバリュベストプライス」両ブランド商品の拡充を図った。価格コンシャスの高い消費者を取り込み、売上げは大きく伸びた。
しかし売上げはふた桁増ながら、利益は昨対大幅減。

一方、小売業第2位のセブン&アイホールディングス。
営業収益3兆0044億2300万円、昨対プラス7.0%
営業利益1672億2500万円、プラス1.6%
経常利益1672億3700万円、プラス1.5%
経常利益839億0100万円、プラス0.7%

増収増益。

「セブンプレミアム」やグループ各社のオリジナル商品を積極投入。
さらに既存商品のリニューアルを実施したことが功を奏した。

「セブンプレミアム」の売上げは4020億円(前年同期比23.7%増)と、年間計画8000億円を超える見通し。
オムニチャネル戦略も進め、セブン-イレブン店舗では「街の本屋」として書籍や雑誌の受け取りサービスを展開。ロフトや赤ちゃん本舗などの専門店でも商品受け取りサービスを推し進めている。

ただし、スーパーストア事業、いわゆるイトーヨーカ堂の営業収益は1兆20億6300万円で、前年同期比0.5%、営業利益は91億8300万円の22.2%減。戸井和久新社長の下、衣料品分野で婦人ファッション「GALLORIA(ギャローリア)」や紳士ファッション「KENT(ケント)」などのプライベートブランド商品開発強化、3月には「西日本事業部」を立ち上げ、既存店強化を進めたが、既存店売上伸び率は、前年を下回った。
増税前の駆け込み需要の反動減、さらに夏場の天候不順が影響した。

総合スーパー第3位のユニー・ホールディングス。
営業収益5016億1100万円、マイナス1.1%
営業利益114億5700万円、マイナス23.0%
経常利益112億2100万円、マイナス22.9%
経常利益38億6900万円、22.7%

決算月を昨年の2月20日から今期は2月末日に変更したため、昨年同期比は参考数値とされるが、結果は減収減益。
コンビニ業態では「サークルKフレッシュ」「K’s CAFE 」などの新フォーマットを開発。
昨年5月には、女性従業員で組織した「スタイルワン研究所」によるプライベートブランド開発で、「プライムワン こだわりの贅沢食パン」のヒットをつくるも、総合スーパー業態が低迷。

その営業収益は3772億7100万円の3.2%減、営業利益は36億4800万円の34.8%減となった。

そしてダイエー。
来年1月1日にイオンの完全子会社となる。
営業収益3861億2800万円、マイナス5.7%
営業利益は103億円の営業損失(マイナス62億円)
経常利益109億円の経常損失、(マイナス61億円)
経常利益138億円の純損失(6億円改善)

この数値をとやかく言っても始まらない。改善・改革のスピードを上げるしかない。

イズミはまだ発表されていないので、
最後は、平和堂。
営業収益2039億8900万円、プラス3.8%
営業利益は68億7200円、プラス10.8%
経常利益12億9100万円、プラス10.4%
経常利益43億9300万円、プラス0.2%
増収増益と好調。

ディスカウント競合激化の中で、売上を伸ばし、しかも利益はふた桁増。

増税と天候の影響で客数は前年を下回ったが、生鮮食品を中心に客単価が増加し、既存店の売上高が前年を上回った。それが最大の要因。

グループ中核企業・平和堂が進めるスーパーマーケット「フレンドマート」事業が特に好調で、既存店の食品売場を中心とした改装も功を奏した。ドラッグ・日用品売場のEDLP商品の拡大、また、小型GMS店舗の衣料品と生活関連雑貨との一体型売場の開発など改善も進む。

中国湖南省で小売事業を展開する「平和堂(中国)有限公司」も、4号店の出店効果によって増収・増益。滋賀県を担当する「株式会社丸善」も、主力店舗の改装効果で増収となり、経常利益も黒字転換している。

 

半年間の各社の成績は、
増収増益がセブン&アイと平和堂。
ただし、イトーヨーカ堂は増収減益。
増収減益がイオン。
減収減益がユニー・ホールディングスとダイエー。

総合業態をどう改革するのか。
業態からフォーマットへの転換が急がれる。
そのフォーマットには各社の戦略が反映されたもの。

イオンとイトーヨーカ堂の戦略は明らかに異なる。
平和堂は方向性を見定めた改革が進む。
ユニーはどちらに向かうのか。

来年10月の再増税を控え、各社スピードアップが求められる。

 

 

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