関西スーパー、ヤマナカのAJS加盟2社の4~6月期は増収増益

スーパーマーケット上場企業の平成28年3月期第1四半期の決算が発表され出した。
今日はオール日本スーパーマーケット協会加盟社の2社、関西スーパーマーケットとヤマナカの成績を紹介する。

 

はじめは㈱関西スーパーマーケット(兵庫県伊丹市、福谷耕治社長)。スーパーマーケット65店、ショッピングデパート他1店を営業する名門企業。
ただし、前年の平成27年3月期年度決算は営業収益1118億9230万円(前年比マイナス2.6%)、経常利益2億5800万円(マイナス89.5%)、9億5500万円の純損失と、厳しい内容だった。

 

それだけに今期のスタートが注目されるが、4月~6月の営業収益は297億2500万円(前年同期比3.6%増)と、前期に比べ大幅に改善した。営業利益は3億6700万円(前年同期は営業損失4億2200万円)、経常利益は5億1900万円(同経常損失2億5000万円)、純利益3億5500万円(同純損失1億9700万円)だった。

関西スーパーは、今年から「3カ年中期経営戦略」として「商品力強化」「販売力強化」「競争力強化」「基本の徹底」「教育」「コスト意識向上」の6つの取り組み課題を掲げ、「営業方針」「教育方針」「経営管理方針」の3つの方針と「成長戦略」「新規事業戦略」の2つの戦略を策定。「お客様目線の品質」「お客様目線の価格」「お客様目線の買物環境(接客)」を重点施策として挙げている。

たとえば商品では、関西スーパー自慢の品の開発・育成や、商品1品ごとの「味・鮮度・品質・見栄え・容量・価格・豊富な品揃え・提供方法」の強化に取り組む。
今年4月からは、鮮度のよい商品をどの時間帯でも販売するために、作業効率の改善、作業単位の見直し、鮮度管理の徹底を図る「現場力向上プロジェクト」を立ち上げた。
また6つの取り組み課題を細分化し、1チーム数人で構成した58のワーキングチームを編成し、短期間で改善提案と問題解決をする活動を行っている。

新規店舗と既存店舗の改装効果、月初の「関西スーパーウィーク」を始めとする販売促進の施策が、売上高292億2121万円、前年同期比103.8%の好成績に表れている。業績改善に向けた全社挙げての取り組みが結果につながってきている。

 

次は㈱ヤマナカ(愛知県名古屋市、中野義久社長)。
営業収益は250億2100万円(前年同期比101.0%)、営業利益は2億5400万円(101.6%)、経常利益は2億7000万円(100.4%)、純利益は1億3000万円(105.2%)だった。

ヤマナカも本年度を初年度とする「3カ年中期計画」をスタートとしている。
持続的成長を目指し、①強みを最大限発揮する、②店舗及び本部の生産性向上、③働きがいのある職場づくりを経営課題テーマに挙げている。

惣菜を含めた生鮮品の販売構成比のアップ、お客のライフスタイルに合わせた商品構成の見直し、店内作業の効率化に向けた基本作業項目の徹底、さらにパートタイマーを含めた小集団活動による職場活性化の取り組みなどを進めている。

第1四半期にはアルテ津新町、白土フランテ館を始め4店舗の改装を実施。
これらの結果、既存店売上高が101.8%と伸長したことにより、好成績を残した。

ただし、昨年の4月、5月、6月は、増税後の買い控え反動があった。そこを加味して見る必要はある。

関西スーパーもヤマナカも、日本のスーパーマーケットの発展に大きく寄与した、いわば名門企業。故北野祐次さん、故中野富彦さんは、スーパーマーケット業界のイノベーターとして多くの経営者から尊敬を集めた。しかし名門だけに現在の幹部や社員にも誇りがある。その誇りをかなぐり捨てて、必死に顧客と向き合うことから、改革が生まれる。幹部もミドルマネジメントも店を走り回ることだ。

ウォルマートUSのCEOグレッグ・フォーランは語っている。
「我々がビジネスをする場所は『店舗』である。そして、解決策が見つかるのもかならず『店舗』なのだ」

 

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