平和堂news|食品牽引し営業収益4381億円7期連続過去最高・2期ぶり純利増

(株)平和堂(滋賀県彦根市、平松正嗣社長)が2018年2月期の本決算を発表した。2017年は平和堂にとって創業60周の節目の年だった。営業収益は4381億3200万円の前年比0.1%増となり、7期連続増収、かつ過去最高を更新している。営業利益は139億1900万円(9.3%減)、経常利益148億円(5.4%減)も、純利益は2.4%増の94億3800万円で着地し、2期ぶりの増益となった。

営業収益対営業利益率は3.2%、同経常利益率は3.4%。

単体では営業収益が3746億2400万円(0.3%増)で、こちらも5期連続増収、過去最高を更新している。純利益は83億3700万円(3.3%)となり、2期連続の増益だ。

単体売上高では、5年連続で前年を上回って100.1%だったが、既存店は4年ぶりに99.9%と微減。ただし、前年が閏年だった影響を考慮すれば、実質100.2%となる。とくに食料品は100.9%と好調で、食料品はフレンドマート既存店も5年連続増の100.5%だった。

小売事業の中核企業である(株)平和堂では、17店舗の食料品売場の改装を実施した。老朽化した什器の入れ替えと、商圏特性に合わせたMD変更を行っている。新設は9月にフレンドマート大津なかまち店(滋賀県大津市・1298㎡)の1店のみ。既存店の活性化、とくに食品を強化したのがわかる。

それは商品別売上高にも表れている。衣料品341億8200万円(3.4%減)、住居関連品368億0900万円(1.6%減)だが、食料品2626億7100万円(0.9%増)と全体をけん引している。

同社では消費の二極化が継続していると見て、生鮮食品は鮮度や味、素材を重視。また名物商品の開発やクオリティ重視の自社開発商品「E-WA」を強化した。その一方で、EDLP商品の販売期間を延長するなど価格志向にも対応している。また、買物代行や暮らしのお手伝い事業「平和堂ホーム・サポートサービス」は、サービス拠点を29拠点に増やし滋賀県内全域をカバーする体制になった。

海外小売事業では「平和堂(中国)有限公司」が、主力店舗の改装効果で増収・経常増益となった。また滋賀県でスーパーマーケットを展開する(株)丸善は減収・経常減益。課題は赤字決算となった(株)ダイレクト・ショップだ。書籍とCD・DVD販売、CD・DVD・コミックのレンタル業だが、市場自体が低迷しているうえ、スマートフォンの影響が大きい。抜本的な事業戦略の変更が求められている。

小売事業以外では、惣菜・米飯、生鮮品の製造加工を担う(株)ベストーネは、食品の好調さもあって増収増益だが、外食事業を展開する(株)ファイブスターは、客数減少や営業時間短縮から減収、経常減益に終わっている。

平和堂は今年度のスローガンを“明るい職場で一致団結 目指せピカいちトンガリ挑戦!”と定めて、お客様目線に立ったおもてなしと他社との差異化を図った商品・売場・サービスの実現を目指す。新設店舗は、4月のフレンドマート大津テラス店(滋賀県大津市)などスーパーマーケット業態4店。また既存店では、食品売場の改装を20店(大規模9店舗、小規模11店舗)、衣料品・住居関連品売場を10店で実施する計画だ。これによって2018年度営業収益は1.1%増の4430億円を目指す。

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