良品計画news|コーヒーへの栽培転換を支援「ミャンマーのコーヒー豆」発売
無印良品を展開する(株)良品計画(東京都豊島区、松﨑曉社長)は、ミャンマー連邦共和国でケシに替わる農家の収入源として栽培された「ミャンマーのコーヒー豆」を9月23日(水)から日本国内の無印良品限定39店舗と無印良品のネットストアで販売する。
今回の「ミャンマーのコーヒー豆」は手摘みで収穫して深煎りし、コクと酸味を生かして仕上げられた。200gで990円(税込)。
世界中のさまざまな国や地域において「感じ良いくらし」を提案する無印良品は、生活に必要な商品の販売のみならず、社会でいま起きているさまざまな課題にも目を向けている。
ミャンマーの南シャン州は、タイ・ラオス・ミャンマーの国境地帯でアヘン原料となるケシの栽培が盛んな「黄金の三角地帯」に位置する山深い地域だ。ここに暮らす少数民族の生活は厳しく、重労働で環境負荷の高い焼き畑農法によって栽培されるケシが重要な収入源になってきた。
近年、ミャンマー政府の対応によってケシの栽培面積は減少したが、ケシ以外の収入が乏しいため多くの農民が困窮しており、一部の農民は政府の目が届かない山奥でケシ栽培を続けている。
こうした問題を解決するために、ミャンマー政府と国連薬物犯罪事務所(UNODC)は協働してきた。南シャン州のケシは標高1000m~1800mの地域で栽培されてきたが、この気候条件は品質の良いコーヒー栽培にも適している。そこで、ミャンマー政府とUNODCはケシからコーヒーへの栽培転換を推進している。
2015年にUNODCの支援によって、南シャン州のコーヒー栽培農家の組合である「グリーンゴールド協働組合」が設立された。現在では900軒以上の農家がこの協働組合に参加してコーヒーの栽培を行っている。
環境負荷が少なく、またコーヒー以外の収入源も確保するために、他の果樹とコーヒーを混植するアグロフォレストリーという手法を使って、アラビカ種のコーヒー栽培を始めた。2018年秋には欧州へのコーヒー豆の出荷が始まった。
無印良品は、UNODCとグリーンゴールド協働組合の取り組みに共感し、この協働組合の農家が生産したコーヒー豆の販売を検討してきた。
現地訪問した際の生産農家との会話のなかで、小粒のコーヒー豆は輸出されず、ミャンマー国内向けに低価格で買い取られていることがわかった。味は変わらないのにサイズではじかれていた小粒の豆を適正な価格で買い取ることで、生産農家のコーヒー栽培を支援する。