日本マクドナルド社長交代で世界体制に編入
日本マクドナルドの原田泳幸会長兼社長兼CEOが社長を退任した。
今日27日午前の取締役会で決まった。原田氏は会長専任となるが、持ち株会社・日本マクドナルドホールディングス(HD)の会長兼社長兼CEOの立場に変更はない。
後任の社長兼CEOにはマクドナルド マレーシア・シンガポールリージョナルマネージャーのサラ・カサノバ氏が就任。
カサノバ氏はマクドナルド・カナダの女性幹部。1991年にマクドナルド・カナダに入社し、2004~09年まで日本マクドナルドの執行役員マーケティング本部長を経験している。
今回の人事について原田氏本人は、「新しい経営タレントを投入したマネジメント強化だ」として「退任」を否定している。
また、カサノバ氏を招いた理由については、海外事業の経験が豊富なことから、「グローバルアラインメントを取るリーダーとして最適」と判断したためという。
つまり、米マクドナルド本社の戦略のもとで、世界のマクドナルドと歩調を合わせて経営するためのリーダー。それがカサノバ氏というわけだ。
カサノバ氏も「世界各国にマクドナルドはあり、いい事例はどこからでも導入できる。それを日本で喜ばれる形にして、提供する」と述べている。
マクドナルドは最も優れた形で海外展開を成功させた外食企業の1つだ。その特徴は、世界規模で標準化を行う「グローバル戦略」だけではなく、各国のマクドナルドで生まれたイノベーションの成果を全世界のマクドナルドで分かち合う「トランスナショナル戦略」にある。
だから、今回のカサノバ氏の発言は、マクドナルドが本来持っているトランスナショナルな精神を表明したことになる。
元々、日本マクドナルドは故・藤田田氏によって築かれた会社で、世界100カ国以上に展開するマクドナルドの中で独特のポジションにあった。
カサノバ氏が在籍するマクドナルド・カナダは、日本マクドナルドHDに27.56%を出資する筆頭株主。さらに、そのマクドナルド・カナダは米マクドナルド本社の子会社だ。
原田氏からカサノバ氏へ。
日本マクドナルドの独特のポジションは一層薄まり、グローバル・オペレーションの中へ組み込まれていくことになる。
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