インテージnews|食事法調査/購入を左右する食品表示は「添加物」と「糖質」

健康や美容に良いとされるさまざまな食事法・食スタイルが喧伝されている昨今、(株)インテージ(東京都千代田区、檜垣歩社長)は、どれくらいの生活者がどのように取り入れているのかを調査した。全5問に対して、全国の20~69歳の男女3627人から回答を得た。

①「実践中」の人が最も多い食事法・食スタイルは何か?
代表的な6つの食事法・食スタイルを提示して、今取り入れているものを尋ねた。

取り入れ率が最も高かったのは「ローカーボ食」で全体の13.5%。「ローカーボ食」は、「低炭水化物食」「糖質制限食」とも言われ、ご飯、パン、麺などの主食や糖分量の多い食品を制限することで、メタボリック症候群の解消につながるとされる食事法。最も実践者が多いのは60代女性で、2割の人が取り入れていた。

次いで「精製食材は食べない」、「断食・少食」がそれぞれ5%前後。「菜食」は3.5%、主に小麦に含まれるグルテンを避ける「グルテンフリー」、生食か、46度以下調理の生鮮食材を食べる「ローフード」は2%前後という結果だった。

②各食事法・食スタイルの実践頻度(タイミング、キャリア)はどれくらいか?
各食事法・食スタイルを実践している人がどんな頻度やタイミングで取り入れていて、いつから始めたのかを尋ねた。

「ほぼ毎日」実践している人の割合が3割~4割と高かったのは「精製食材は食べない」「ローカーボ食」。一方で、「体にとって必要と感じる時」に取り入れるという人が3割以上と、他の食事法・食スタイルより多かったのは「断食・少食」「菜食」「ローフード」。「気が向いたとき」は「ローフード」「グルテンフリー」にとくに多い。

キャリアについては「ローフード」「ローカーボ食」の6割、「グルテンフリー」の5割強がここ2年以内に取り入れている。「精製食材は食べない」「菜食」「断食・少食」では3割前後の人が6年以上前から取り入れている。

各食事法・食スタイルをどのように実践しているか?
ひとくちに「ローカーボ食」「菜食」「断食・少食」といっても、いろいろな食べ方がある。具体的にどのように実践しているのかを尋ねた。

 

「ローカーボ食」実践者では、7割が「1日の中で主食を食べる回数を制限」している。「主食は食べない」人は2割にとどまった。「菜食」の実践者では、最も厳格な「ヴィーガン(植物性食品のみ)」、「マクロビアン(マクロビオテッィクに基づく食事)」はどちらも1割に満たない。最も多い4割の人は、魚・卵・乳製品は食べる「ぺスコ・ベジタリアン」。「断食・少食」を取り入れている人の5割弱は「食事間隔を空ける」、4割が「満腹まで食べない」を実践していた。「一日一食」や「水だけ/酵素ドリンクによる断食」も1割前後いることがわかった。

④健康効果、美容効果が感じられている食事法・食スタイルは何か?
各食事法・食スタイル実践者はどのような効果を感じているのか、そして全調査対象者に、今後取り入れてみたい食事法・食スタイルを尋ねた。

「健康維持」については、どの食事法・食スタイル実践者も効果を感じている。トップ3は「精製食材は食べない」「菜食」「ローフード」。「体の症状の改善」についても、いずれの実践者も3~4割が効果を感じていて、最も実感者が多いのは「菜食」だった。「ダイエット」効果については「断食・少食」実践者の7割に続いて、「ローカーボ」は5割の人が効果を感じていた。「グルテンフリー」「精製食材は食べない」も4割強がダイエット効果を感じていた。

「若返り・美容」「睡眠の質」「仕事や日常生活のパフォーマンス」「スポーツのパフォーマンス」では、いずれもトップが「ローフード」だった。

今はやっていないが、今後取り入れてみたい食事法・食スタイルについて最も選択率が高かったのは「ローカーボ食」で、全回答者の約1割。次いで「精製食材は食べない」「断食・少食」がいずれも7.2%。

⑤購入を左右する食品表示は何か?
食品を購入する際に、気にする食品表示は何かを尋ねた。

食事法・食スタイル実践者に共通している要素は「添加物」「糖質」。「油の種類」「砂糖の種類」は「食事法・食スタイルなし」の人では気にする人は稀だが、食事法・食スタイル実践者では2割~4割前後が購入の判断材料にいていることがわかった。

■インテージ調査の概要
調査地域/全国
対象者条件/20~69 歳の男女
標本抽出方法/同社「マイティモニター」より抽出しアンケート配信
ウェイトバック/性年代構成比を、2015年度実施国勢調査データをベースにウェイトバック
標本サイズ/n=3627
調査実施時期/2019年6月6日(木)~2019年6月10日(月)

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