6月外食統計|全体売上高119.9%で7カ月連続前年超え/居酒屋業態は依然苦戦

一般社団法人日本フードサービス協会(東京都港区、近藤正樹会長)が6月の外食産業市場動向調査を発表した。調査企業数は230社、店舗数は3万7099店舗。ファストフードは2万1337店舗で全体の57.5%を占める。

6月の全体売上高は119.9%と7カ月連続で前年を超えた。夜遅い時間帯の集客は依然として弱いが、「昼の時間帯」「家族客」「土日休日」を中心に客足の好調が継続した。外食店舗は徐々に営業時間をコロナ前に戻すなど、コロナと共存して社会経済活動を維持しようという動きが見られる。コロナ前の19年比では全体売上高は93.1%にまで戻ったが、パブ・居酒屋業態では58.3%と依然苦戦が続いている。

ファストフード業態の合計売上高は108.0%、客数105.4%、客単価102.5%。デリバリーの定着化に加えて、行動制限がなくなり外食客も増えたことで、好調だった。

「洋風」は、デリバリーや注文のデジタル化などの「利便性」と各種キャンペーンによって、売上高108.1%(19年比121.4%、カッコ内以下同)で業態を牽引した。「和風」は、駅前立地の回復が一部遅れているものの、デリバリーの堅調や朝食のテイクアウト訴求が奏功し、売上高109.5%(101.8%)。「麺類」は、6月下旬の猛暑の中で冷たいメニューが好調で、売上高115.6%(84.2%)となった。「持ち帰り米飯/回転寿司」は、「持ち帰り米飯」にテイクアウト需要の一服感があるものの、「回転寿司」の休日の集客が後押しし、売上100.8%となった。「その他」は、「カレー」の価格改定による単価上昇と、猛暑の下旬
に「アイスクリーム」のイートインが好調で、売上高109.3%(95.2%)となった。

ファミリーレストラン業態は、売上高131.3%(83.8%)。昨年の営業制限の反動から大きく伸びたが、引き続き夜間の集客は弱い。

反動増から「洋風」は売上高128.1%、「和風」は134.6%となったが、19年比では未だ8割前後にとどまった。クーポン配布などのキャンペーンの再開・強化に取り組むところもあり、徐々にコロナ前の環境に戻りつつあるが、夜の集客、宴会需要などは戻っていない。「中華」は、下旬の猛暑で冷し中華や飲料が好調、売上高119.1%(103.6%)。「焼き肉」は、郊外立地店が引き続き好調で、売上高154.6%(95.6%)となった。

パブ・居酒屋業態は売上高335.9%と、5月同様に大きく伸びたように見えるが、19年比ではいまだに58.3%。早い梅雨明けと下旬の猛暑で、ビール類の売れ行きが好調であったものの、実際には“法人需要”と“夜間の客足”がなかなか戻らず、依然として苦戦が続いている。

ディナーレストラン業態は、売上高171.5%(80.9%)。前年の反動増に加え、アルコール飲料を提供できたことなどにより、大幅に上昇した。家族客、土日休日を中心に集客は好調だったが、法人宴会はまだ回復が見られない。

喫茶業態は昨年の時短営業や休業の反動で、売上高122.9%(83.2%)。どの立地でも回復基調はあるものの、下旬の猛暑でブレーキがかかった感もある。

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