8月外食統計 | 全体売上げ前年比118.0%、19年比では90.6%
(一社)日本フードサービス協会(東京都港区、近藤正樹会長)は8月の外食産業市場動向調査を発表した。調査企業数は239社、店舗数は3万7059店舗。ファストフードは2万1364店舗で全体の57.6%を占める。
8月の全体売上高は前年比118.0%と10カ月連続で前年を超えた。19年比では90.6%となり、7月の同98.5%と比べると回復が鈍っている。コロナ第7波のピーク時でもあったことから平日と夜間の客足が鈍化したことが響いた。
ファストフード業態の全体売上高は107.1%。「洋風」は、テイクアウト・デリバリーの堅調もあり、売上高103.8%。「和風」は新商品やキャンペーン効果などで売上高107.8%となった。「麺類」は持ち帰り商品のラインアップの強化で売上高121.2%。
「持ち帰り米飯/回転寿司」では、「持ち帰り米飯」のデリバリーやネット注文が好調やお盆期間中の地方都市での堅調もあり、売上高108.0%。「その他」は、「アイスクリーム」がお盆期間の需要を取り込みで売上高108.0%となった。
ファミリーレストラン業態の全体売上高は、前年比131.5%。一部店舗ではお盆期間の帰省客や観光客で堅調な売上げとなったが、それ以外の期間や都市部の集客の鈍さに加え、夜間の集客減も目立った。
「洋風」127.0%、「和風」135.9%となったものの、19年対比では「洋風」76.2%、「和風」77.4%と回復は鈍い。
「中華」は引き続きテイクアウト・デリバリーが堅調で売上高は123.9%。19年比でも99.0%となった。「焼き肉」は好調を維持しており、売上高150.8%、19年比92.1%となった。
「パブ・居酒屋」は、第5波のピークで酒類提供の制限が続いていた昨年の反動増から442.7%と大きく伸びた。しかし、大口宴会需要もほぼなくなり、小口宴会もキャンセルなどもあり、19年対比では6月をピークに下降、7月の53.3%からさらに下回り44.2%となった。
ディナーレストラン業態の売上高は153.9%となったが、第7波の中でお盆の集客は伸びず、宴会需要も低迷し、19年比では68.7%にとどまった。
喫茶業態は営業時間制限もなく、価格改定などで売上高125.7%となるも、オフィス街立地の店舗が伸び悩み、19年対比では76.1%にとどまった。