7月のSMは相場高で既存店1.7%増、生協は個配が5.3%増と好調

毎月お届けしている業態別の月度別販売統計。
昨日は7月の百貨店の営業成績をお知らせしたが、今日はスーパーマーケットの結果を報告する。

スーパーマーケットの数値は、日本スーパーマーケット協会(JSA)、オール日本スーパーマーケット協会(AJS)、新日本スーパーマーケット協会(NSAJ)の3協会の統計。

さて、7月実績の速報数値。

総売上高は、8610億0046万円、全店前年同月比でプラス4.0%。既存店前年同月比プラス1.7%となった。さらに内訳は以下の通り。

  食品合計 7573億2083万円 プラス2.1%(既存店前年同月比)
   生鮮3部門合計 2790億3146万円 プラス3.2%
      青果 1122億6755万円 プラス5.6%
      水産 769億5222万円 プラス0.6%
      畜産 898億1169万円 プラス2.6%
    惣菜 830億5113万円 プラス3.4%
    日配 1655億0196万円 プラス1.6%
    一般食品 2297億3628万円 プラス0.8%
  非食品 723億2078万円 マイナス0.9%
  その他 313億5885万円 マイナス0.1%

集計パネル企業数は275社、店舗数は7456店で、1店舗の平均月商は1億1548万円。総売場面積は1270万5181㎡、売場1㎡あたりの売上高は6.8万円となった。

発表は新日本スーパーマーケット協会副会長の増井德太郎さん。
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「7月の平均気温は、上旬が全体的に低く、中旬以降は東日本を中心にかなり高かった。西日本は台風・豪雨の影響もあり、気温も低めで、その影響を受けたカテゴリーが多く、好不調の判断は地域によりばらつきがあった」

カテゴリー別に丁寧に見ておこう。
青果は、野菜や果物の相場が高値で推移した影響で、売上げは好調。天候不順ではあったが、売上げは確保。サラダ関連、カット野菜が販売量を伸ばした。
水産は、相場の高騰があった。入荷不足によるもので、しかし青果と違って売上げはやや不調。今年は土用の丑の日が2回あったが、国産相場安を追い風にしたうなぎは好調であった。
畜産は、精肉相場が高い状況が続いており、やや好調。前年好調であった牛肉は、相変わらず焼肉需要などが高まり堅調という企業と、前年の反動により不調という企業に分かれた。豚肉は輸入豚の強化が成功。また冷しゃぶなどの売れ筋も購買を伸ばした。
惣菜は、猛暑のため、火を使いたくないという主婦層に、揚物、フライが人気だった。ただ、人手不足のため、商品を作りきれないなど、オペレーション問題の結果、機会ロスが発生した。
日配は価格が上昇した乳製品やパンが不調だったが、涼味関連が中旬以降の気温上昇とともに好調となり、全体ではやや上昇。
一般食品で目立ったのは、ビールなど飲料。また前半はカップ麺や、スープ、乾麺なども売れ行きが良かったが、米価相場安や昨年好調であった菓子が不調で、全体でもややダウントレンド。
非食品は、上旬の低気温による夏物商材の不振やドラッグストアなどとの競合の影響で、洗剤などの動きが鈍かったため、やや不調であった。

7月は、天候に左右された月となり、好不調及び地域によるばらつきが多かったが、非食品、その他以外はプラスとなり、全体的にはやや上向き。7月下旬以降の記録的な猛暑を追い風に8月はどう改善傾向をみせていくか。気温の変化にも、相場や景気の変動にも、スーパーマーケットは強い。

次に日本生活協同組合連合会の供給状況について。
渉外広報本部本部長の伊藤治郎さんより、7月概況の説明があった。
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総供給高は前年比プラス4.4%で4カ月連続増収。
店舗供給高も前年比プラス3.0%で4カ月連続増となった。
梅雨明けは日配、飲料等が好調であった。

宅配供給高は、前年比プラス2.6%で、これも4カ月連続のプラス。とくに宅配のうち個配が好調で5.3%のプラスとなった。

宅配は店舗売上げよりも伸びが低く、しかし、個別の配達は店舗売上げよりも高い伸びを示した。生協では子供のいる家庭は配達手数料割引のサービスを実施している。さらに気温が高かった。宅配利用者も全体に増加傾向にあって、その結果、個配が5.3%も伸びた。

7月は土用の丑の日が2回あって、当然、うなぎの需要が伸びた。生協連は今年から産地を応援する目的で「鹿児島県大隅産うなぎ蒲焼」の1パックにつき3円を「鹿児島県ウナギ資源増殖対策協議会」へ寄付している。うなぎの稚魚“シラス”不足に役立つための活動資金になるが、それを応援活動している。

最後は京北スーパー代表取締役会長の石戸義行さんがゲストスピーカーで登場した。

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京北スーパーは千葉県柏市に本部を置き8店舗(2011年2月1日現在)を展開する。年商は54億円(2010年3月期時点)。
6月16日付で、新たに下西琢也社長が就任し、石戸さんは53歳にして会長となった。
「会長の立場から、10年、15年かけて未来を見据え、若い社員の教育に力を注ぐ」。
アメリカ、オハイオ州のスーパーマーケットにスタッフを送り込んで研修をさせたり、また自分自身もホールフーズなどに頻繁に赴いて勉強を重ねる。つまり企業経営の「数字」に直結はしないけれど、重要な場面で会社に貢献するポジションに着いた。アメリカから学んで新しいことに挑戦し、また社員、パートタイマーなど従業員にとって居心地の良い環境をつくることに、会長の立場から前向きに取り組む姿勢を明確にしたわけだ。

検索キーワード : スーパーマーケット  7月売上  土用の丑の日  天候不順

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