トイザらスnews|米法人所有株がFung Retailingに譲渡され日本事業継続

日本トイザらス(株)(神奈川県川崎市、ディーター・ハーベル社長)の親会社トイザらス・アジア(香港)は16日、米国トイザらス・インクが所有していた株式を、投資ファンドや金融機関で構成されるグループ「タージ・ノートホルダーズ(Taj noteholders)」に売却することを発表した。

2017年9月に倒産した米国トイザらスが保有していた85%の株式のうち、79%をタージ・ノートホルダーズが取得する。残りの6%は米国トイザらスとともに15%の株を保有していた香港の大手小売企業「ファン・リテーリング(Fung Retailing)」が追加で取得し、合計21%保有することになる。

この取引により、米国トイザらスからアジア事業が完全に分離されることになり、日本の店舗もこれまで通り営業が継続されることが確定した。

【結城義晴の述懐】北米のアメリカ、カナダ、メキシコでは競争に負けたトイザらス・インクの「トイザらス」フォーマットも、大中華圏と日本、東南アジアでは成長している。そこで、香港のファン・リテーリングがアジアのトイザらスを経営することになる。同社は年商30億ドル超、従業員2万3000人超の多国籍グループで、貿易、物流、流通、およびリアル店舗とオンラインリテールを中核事業にする非上場企業だ。店舗数は、大中華圏からイギリス、フランスさらに日本、韓国、シンガポール、マレーシア、タイ、およびフィリピンなどを合わせて、3300店を超える。かつてアメリカのセブン-イレブンを経営するサウスランド社が倒産の危機に瀕したとき、日本でエリアフランチャイズを展開していたイトーヨーカ堂に救済されて、何とか蘇ったことがある。それに似た構図でのトイザらス・アジアの株式譲渡である。アジアのトイザらスは「アジアの子どもたちのための、玩具、ベビー用品、および知育玩具販売のリーダー」として再出発することになった。ただし、北米トイザらスは、今のところどうなるかわからない。

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