農水省news|「恵方巻」需要に見合った販売を協会団体に呼びかけ
農林水産省は、1月11日(金)、「恵方巻」の販売が本格化するのを前に、チェーンストア、スーパーマーケット、コンビニエンスストアなどが加盟する7つの業界団体に対して、需要に見合った販売を行うよう、初めて文書で通知した。
通知を受けた団体は、日本チェーンストア協会、(一般社団法人)日本スーパーマーケット協会、(一般社団法人)全国スーパーマーケット協会、オール日本スーパーマーケット協会、(一般社団法人)日本フランチャイズチェーン協会、日本生活協同組合連合会、(一般社団法人)日本ボランタリーチェーン協会。
「恵方巻」はご承知の通り、節分の日にその年ごとに縁起がいい方角の「恵方」を向いて食べると福が訪れるとされる太巻き。人気は年々高まっている。
「恵方巻」をめぐっては、売れ残りの大量廃棄がSNSでも話題となり、問題視されている。農林水産省はこの文書の中で、大量廃棄を回避した兵庫県内のスーパーマーケットの事例を紹介し、廃棄物を少しでも減らすよう呼びかけている。
兵庫県内で8店舗を展開する「ヤマダストアー」は、2018年2月、「恵方巻」などを広告した折り込みチラシに「もうやめにしよう」というメッセージとともに、「今年は全店、昨年実績で作ります」、「欠品の場合はご容赦くださいませ」という文章を添えて発信した。
これは昨年実績より多くつくるという商慣習に対して、あえて売り方の見直しを行ったもの。結果的に8店舗中5店舗で「恵方巻」は完売し、前年に比べて、廃棄量は減少した。
12日からの3連休を控えた11日(金曜日)の通達でもあって、7団体ともに今のところ反応を示していないが、今週、動き出すに違いない。
スーパーマーケット業界では「異常値」販売を旗印にした企業も多かったが、業界全体にサステナビリティが求められている。
昨年実績で販売する企業もよし、昨年よりちょっと背伸びして売上げを伸ばそうとする企業もよし。無謀な異常値狙いは避けようというのが、農水省の呼びかけだろう。できるだけ適性な販売予測と、天気や状況の変化に応じた機敏な製造こそが、「廃棄ロス」を最小限にとどめるものである。