H2Onews|2019-2021年中期計画発表/イズミヤ再編、設備投資950億円など

エイチ・ツー・オーリテイリング(株)(大阪市北区、鈴木篤社長)が中期計画「Gp10-IIフェーズ2(2019-2021年度)」を発表した。「関西ドミナント化戦略」とマーケットシェアの拡大を目指す2015-2024年度までの長期計画「Gp10計画ステージII」の第2フェーズに当たる。

第1フェーズ(2015-2018年度)では、百貨店事業は阪急うめだ本店の広域集客力を強化し、阪神梅田本店を建て替えた。さらにセブン&アイ・ホールディングスから「そごう神戸店」「西武高槻店」を譲り受けた。食品事業ではイズミヤの店舗再編を進めた。またグループの電子マネー「litta」や関西エリア共通ポイント「Sポイント」を立ち上げている。

そのうえで、第2フェーズの重点施策は、I.都市大型商業の強化、II.SM運営プラットフォームの構築、III.イズミヤGMSの事業モデル転換、IV.ビジネスエコシステムの構築の4つを挙げる。

Ⅰの都市大型商業の強化では、梅田エリアの強化に向けて阪神梅田本店の建て替えを行う。2018年6月に建て替え第I期棟が開業し、2021年秋のグランドオープンに向けて工事が進めていく。

Ⅱはイズミヤと阪急オアシスなどのSM(スーパーマーケット)各社と阪急デリカなどの食品製造会社で構成される食品事業の再編だ。イズミヤと阪急オアシスで約200店舗となるが、これは関西有数のスーパーマーケットグループである。ただし両社の共同仕入れ、プロセスセンターや惣菜製造会社の統合などは、商品管理やオペレーションが異なっていることで、計画通りに進んでいない。そこで今期は、イズミヤを再編し、SM運営に特化した会社を分割する。これに合わせて、新分割会社と阪急オアシスは、2020年度に新たな営業システムを稼働し、商品管理やオペレーションを統合する計画だ。つまりⅡで掲げるSM運営のプラットフォームの構築の共有化によって、商品の共同調達や物流センターの運営効率化、立地に合わせた柔軟な店舗展開などを行っていく。

ⅢのイズミヤGMSの事業モデル転換は、分割による再生策である。すでにドミナントエリア以外の店舗の閉鎖、老朽化店舗の建て替えによるNSC(ネイバーフッドショッピングセンター)転換などで、経営統合時に47店舗あったGMSは32店舗にまで縮小した。2020年度には、イズミヤを食品部門、非食品部門、プロパティマネジメント部門に分割する。食品部門はSMに特化されて、前述の通り、阪急オアシスと一体となって収益性向上を目指す。

また住居関連品の中でも購買頻度の高い日用品は、(株)ココカラファインと合弁会社を立ち上げ、ココカラファインのドラッグストア運営ノウハウや商品調達力を活かして、新たな店舗として展開していく。

プロパティマネジメント部門は、非食品部門の構造的赤字を早期解消すべく、テナント導入を進め、立地の強みを活かした商業施設づくりを行っていく。

Ⅳの「ビジネスエコシステムの構築」では、外部パートナーとのアライアンスネットワークを拡げ、関西圏事業者で共有できる顧客サービスプラットフォームづくりを行う。具体的には2016年に阪急阪神グループの共通ポイントサービスとしてスタートした「Sポイント」の深耕だ。現在約750万会員を抱える。関西2府4県のセブン-イレブン、関西スーパーといった外部加盟店も加わって、関西エリアの共通ポイントとして取り扱い高が拡大している。今期は新たに「和風さと」などを運営するフードサービスSRSホールディングス(株)、ココカラファインとのアライアンスを組んだ。両社の店舗でのSポイントサービス開始に向けた準備も進められていく。

これらの施策に今後3カ年で設備投資額950億円をかける。そして2021年度連結営業利益を250億円計画する。

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