紅屋商事news|CO2冷媒の「黒石IC物流センター」開設/CO2排出量67%減

青森県・秋田県にスーパーマーケットを展開する紅屋商事(株)(青森県青森市、秦雅秀社長)は5月11日(月)に新たな冷凍冷媒設備を導入した「黒石IC物流センター」を開設した。

青森県黒石市が取り組む「黒石ICロジスティクスクロッシング」事業は東北自動車道の黒石インターチェンジ(IC)周辺エリアに流通センターを多数、誘致する事業だ。その進出第1号が紅屋商事の物流センターだ。2月4日付けで改正された物流総合効率化法(物効法)に基づいて、紅屋商事と(株)東北丸和ロジスティクス(仙台市太白区、平野健治社長)が総合効率化計画を策定して、開設に至った。

紅屋商事は青森県を中心にスーパーマーケットとドラッグストアを展開するが、従来、ドライとチルドの2つのセンターを運用していた。黒石IC物流センターはドライ&チルド(フローズン含む)の総合物流センターだ。

従来の冷凍冷蔵設備では主に代替フロン(R410AやR404A)が冷媒として使用されているが、同センターでは、温室効果ガス排出量の低いCO2冷媒を採用。代替フロンがCO2に対して、約2000倍から約4000倍の温室効果があるのに対して、CO2冷媒は、漏洩した場合の温室効果を約1/2000から約1/4000に削減できる。また自然冷媒は、CO2のほかにハイドロカーボンやアンモニアがあるが、CO2冷媒にはこれらに懸念される毒性や可燃性がないという。

CO2冷媒は省エネ効果が高いことも特長で、代替フロン(R404A)を採用した設備と比較し同センターでは年間消費電力量を冷凍で約25.4%(冷蔵で約16.2%)削減する計画だ。

この「消費電力量削減によるCO2排出量」と「地球温暖化係数の低い冷媒を採用したことによる直接漏洩排出量」を合計すると、代替フロン(R404A)を採用した設備と比較して約67%のCO2排出量を削減できる見込みだという。
【結城義晴の述懐】
ともするとCOVID-19にばかり目がいくが、このコロナ禍で明らかになった新物流とともに、SDGs(持続可能な開発目標)の環境対策も必須である。紅屋商事のCO2冷媒使用の黒石IC物流センターはその意味で、きわめて時代に沿った戦略と評価できる。

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