イズミnews|東広島市で小売りMaaS実験/スーパーへの送迎と商品宅配
(株)イズミ(広島県広島市、山西泰明社長)は、東広島市、国立大学法人広島大学、およびMONET Technologies(株)(以下MONET)と、スーパーマーケット等と連携した小売りMaaS(マース)を自動運転車で実現する「Autono-MaaS(オートノマース)」の実用化に向けたプロジェクトを、2021年2月から開始する。
Maas(Mobility as a Service)とは、ICT(Information and Communication Technology〈情報通信技術〉)を活用して交通をクラウド化し、自家用車以外のすべての交通手段による移動を1つのサービスとして捉え、シームレスにつなぐという新たな「移動」の概念をいう。オートノマースとはトヨタ自動車による造語で、Autonomous Vehicle(自動運転車)とMaaSを融合させた、自動運転車を利用したモビリティサービスを指す。
このプロジェクトは、学生や子育て世代、高齢者などの買物を支援する新たなサービスの実証を目的としている。広島大学の東広島キャンパスの学生と教職員や、西条町下見および西条下見地区の住民をモニターとして、段階的に取り組んでいく。
実証実験は3段階で行われる。第1に、2021年2月~2022年3月の期間、オンデマンドバスでスーパーへの送迎と商品の宅配を同時に行う。MONETアプリで車両を予約しモニターが指定する場所から「ゆめタウン学園店」まで送迎するサービスと、電話で注文した商品をモニターが指定した場所・時間に配送するサービスで、対象者は西条町下見および西条下見地区の住民モニター。
第2の実験は、2021年3月~2021年8月に、自動運転車で広島大学キャンパス内の移動を行うというもの。MONETアプリで車両を予約し、モニターが「自動運転車」指定した停留所から乗降するサービスとなる。広島大学の東広島キャンパスの学生および教職員を対象にする。定時定路線の運行。自動運転車は、米国で公道走行実績があるMay Mobility(メイモビリティ)社が開発した車両で日本では初輸入となる。
第3段階の実験では、2021年9月~2022年3月の期間、自動運転車でスーパーへの送迎と商品の宅配を同時に行う。MONETアプリで車両を予約し、モニターが指定した停留所から「ゆめタウン学園店」まで送迎する。また電話で注文した商品をモニターが指定した停留所・時間に配送する。広島大学の東広島キャンパスと「ゆめタウン学園店」を結ぶルートは停留所を10カ所予定する。対象者は西条町下見および西条下見地区の住民モニター。
このプロジェクトは、自動運転社会を見据えた新たなモビリティサービスの創出と実証を目的とした「東広島市Autono-MaaS推進コンソーシアム」の取り組みの一環として実施する。すでに東広島市、広島大学およびMONETは、自動運転社会を見据えたデータ収集を目的に、東広島キャンパスや周辺地域においてオンデマンド型の「広島大学循環バス」を、2019年10月から2020年7月まで運行。さらに2020年11月からは、コロナ禍に対応した新型車両に変えて運行している。