イオン幕張新都心店でオムニチャネル戦略

イオンが大規模なオムニチャネル・リテイリング戦略を導入する。

 

今日20日、イオンはソフトバンクテレコム、Yahoo! JAPANと共同してICT(情報通信技術)を駆使したオムニチャネル・リテイリングをスタートさせると発表した。オムニチャネル・リテイリングとは、顧客にウェブ、モバイル端末、そして実店舗が「継ぎ目」なくつながった世界で買物を体験してもうらことを意味する言葉。これまでのようにどれか1つのチャネルに依存するのではなく、すべてがひとつになることで完成される小売りのこと。

 

イオンは3月から、ソフトバンクテレコム、Yahoo! JAPANの2社とO2O(オンライン・ツー・オフライン)サービス「ウルトラ集客」をイオンやイオンモールなど約460店舗で開始した。これはYahoo! JAPANトップページに掲載されたバナー広告からキャンペーンへの参加を促し、お客がイオンやイオンモールなどで特典を受けることができるサービス。

 

12月20日にグランドオープンするイオン幕張新都心店から、3社の協力体制をさらに推し進めて「ウルトラ集客」サービスを拡大展開する。

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具体的にはスマートフォンアプリ「撮って!インフォ」(仮称)を提供し、スマホを店頭商品のPOPなどにかざすことでレシピや商品情報サイトを表示させるようにする。ネットスーパーと連動させたり、お買い得情報をプッシュ型で配信したりする。

 

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今日20日の日本経済新聞朝刊によると、スマホで商品情報を取得すると食品を中心に1万2000品目を扱う「イオンネットスーパー」に自動的に接続される。決済から宅配手続きまでスマホを使って売場で済ますことができ、最短2時間で即日宅配を行う。配送料は距離や地域に応じて100~400円程度になる。

 

また、電子マネーWAONを利用するための「WAONサービスアプリ」も導入し、スマホからWAONの買物・チャージ履歴、ポイント残高などを照会できるほか、各種キャンペーン情報やWAON加盟店の地図情報を確認できるようにする。「アプリdeビンゴ」や電子スクラッチ、新春おみくじなどゲーム性を備えたエンターテイメント機能や、「Yahoo!検索」と連動したクーポン、各種情報も提供する。

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さらに、店舗にない商品を取り寄せて、店頭や自宅で受け取ることができるサービス「タッチ・ゲット」を酒類、ホームファッション、ベビー用品からスタートする。店内に40台設置するタブレット端末「A touch Ru*Run」(エー・タッチ・ルルン)でサービスを利用できるほか、お客のスマホやタブレット端末、さらに自宅のPCでも利用できるようにする予定。対象商品も拡大し、実店舗とネットを融合させ、オムニチャネル・リテイリングを進める。

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「タッチ・ゲット」サービスはイオンの総合スーパー約500店で順次展開する。2016年度までに食品スーパーマーケット「マックスバリュ」約1100店舗と、ミニストップ、まいばすけっとなどの戦略的小型店約2500店舗で注文した商品を受け取れる体制を構築する。

 

コンビニエンスストアを中心に、総合スーパー、百貨店など多様な業態を擁するライバルのセブン&アイ・ホールディングスも、総合力を活かしたオムニチャネル・リテイリングを推進して、グループが扱う300万アイテムをネットで購入できるよう環境整備を進めている。

 

価格訴求だけではなく、顧客に対して買物の「経験価値」をいかに生むかが問われるオムニチャネル時代。あのウォルマート・ストアーズも「店舗で買物しても、ネットで購入しても、企業として顧客に変わらぬ満足を与えること」を必死に追い求めている。

 

小売り・サービス業界はまさに「マーケティングの時代」の真っ只中にいる。

 

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