セブン&アイnews|グループ初の共通インフラ「Peace Deli千葉キッチン」稼働
(株)セブン&アイ・ホールディングス(東京都千代田区、井阪隆一社長)の子会社(株)Peace Deli(東京都千代田区、和瀬田純子社長)は、セブン&アイグループ初の共通セントラルキッチン「Peace Deli 千葉キッチン」(千葉県千葉市)の稼働を開始する。2月27日(火)から、イトーヨーカ堂・ヨークの首都圏約200店舗に向けて商品を供給する。
千葉キッチンは惣菜・ミールキット等の製造を行うセントラルキッチンと精肉の加工を行うプロセスセンター(PC)の機能を併せ持つ。食品製造工場。従来、店内で行っていた素材からの調理加工の一部をセンター化する。店舗では最終工程をおこなうことで、でき立て、つくり立ての長所を生かす。店舗の生産性向上と同時に、季節に合わせた惣菜メニューの品揃え拡大につなげる。
PCで加工した肉・魚を使用した惣菜の製造には、セブンプレミアム開発で積み重ねられたノウハウや、グループ企業のヨークベニマル(福島県郡山市、真船幸夫社長)の知見が生かされている。商品の原材料調達から生産、品質管理、出荷、販売の製販一体の体制により、差別化されたオリジナル商品を各店舗に効率よく安定供給する。
また、今後、セブン‐イレブン店舗への商品供給や、イトーヨーカドーネットスーパー専用商品の開発なども予定する。
イトーヨーカ堂の山本哲也社長は、「イトーヨーカ堂を中心とするスーパーストア(SST)事業の構造改革では、食と首都圏にフォーカスしている。そこで一番の武器になるのが、ピースデリ千葉キッチンであり、インフラの整備だ。共通インフラの活用で、現在の食品内の惣菜の売上構成比13%を15%に引き上げる。また、30~40代の顧客層を取り込むことで客数の4%アップを目標としている」と説明した。
セブン&アイHDの石橋誠一郎常務執行役員は、「食を中心とした世界トップクラスのリテールグループになるためには、国内ではコンビニ事業とSST事業がしっかりと連携する必要がある。SST事業の成長パーツとして、専用インフラであるPCとセントラルキッチンが必要。ホールディング会社として、しっかりとサポートする体制を築く。一番の強みはマーチャンダイジングにあり、グループ連携に商品開発により、圧倒的な商品サービスを実現する」と語った。
また、千葉キッチンの位置づけについて、「グループ戦略の一環であるSST事業の推進にあたり、PCやセントラルキッチンなど食品におけるグループ共有インフラの準備・稼働の取り組み。プライベートブランド『セブンプレミアム』の共有であるグループシナジー1.0、商品やサービスの取り組み事例の横展開であるシナジー2.0と段階を踏んできた。今回は共有インフラを活用するグループシナジー3.0の具体的施策として実現した」と語った。
ピースデリの和瀬田純子社長は、「規模ではなく、一番おいしいものをつくる、日本一の惣菜工場を目指す」と語った。施設は2層となっていて、1階が惣菜製造のセントラルキッチン。2階が精肉加工のPCとなる。
PC内は5度で温度管理されていて、豚肉・鶏肉などを原料から高鮮度状態を維持したまま製造する。唐揚げ、コロッケ、肉じゃがなどの惣菜で使用する肉の加工を2階で行う。
1階のセントラルキッチンでは味付け肉のたれ、だしなどを毎朝7時から当日用に製造する。
同じ施設内で原材料と加工場への供給が可能となったことで、安定した品質向上とオペレーションコスト削減の両立を目指す。
■Peace Deli千葉キッチン
所在地/千葉県千葉市緑区誉田町2丁目28-100
面積/土地:約3万2988㎡(約9979坪)、延床:約2万0928㎡(約6341坪)
稼働開始/2024年2月27日(火)