西鉄ストアnews|流通小売の課題をデータで解決する3社共同の取り組み

(株)西鉄ストア(福岡県筑紫野市、秋澤壮一社長)と(株)マインディア(東京都港区、鈴木大也CEO)は、(一社)リテールAI研究会(東京都千代田区、田中雄策代表理事)の研究活動として、ECサイトに投稿された口コミ:レビュー・購買データを元にPOPをAIで生成し、新しい売り場づくりと需要の掘り起こしにおいて、一定の成果を得ることができた。

食品スーパーの売り場では、POPを付ける商品は重点商品に限られるため、特に定番商品の販促手段は価格訴求が中心となる。多大な広告費や販促費がかけられないメーカーの商品は、消費者の認知と販売機会を得ることが難しく、価値ある商品であっても新規のユーザー獲得が難しいという課題がある。

また、消費者としても現状の売り場では、パッケージの情報や限られたPOPの情報でしか商品を選ぶことができず、それらの情報も、メーカー・小売店の販売者による説明なので、中立性に欠けている。

西鉄ストアとマインディアは、加盟するリテールAI研究会内の活動を通じて、マインディアのECサイトの口コミ・購買データを元に、AIによる解析と自動生成でPOPを作成し、西鉄ストアの店舗で実際に展開した。

■実施のフロー
1. 西鉄ストアのID-POSデータをAIで解析し、顧客層の特性と購買傾向を解明。
2. 1の結果から潜在需要が見込め、かつ種類が多く訴求が難しいカレーカテゴリと韓国のりを対象商品に選定。
3. マインディアのEC口コミ・購買データをAIで解析し、商品ごとに消費者評価の傾向を特定。
4. 各商品に対して見込み客の特性を踏まえた商品説明文を、AIで自動生成。

4月24日から5月21日の4週間、AIで生成した商品説明文のPOPを、「レガネット 牛頸」(カレーの定番棚に並ぶSKU30点)と「レガネット 東郷」(特定SKU1点)の2店舗で展開した。

■成果
【売り場提案力の増強】
実験店舗のカレーカテゴリの対象SKU売上構成比が67.5%と全店平均を6.5ポイント上回った。実際の購入者の口コミとAIに基づく商品説明は、情報の信頼性の高さから、顧客に対し選ぶ楽しみと出会いを提供するという評価になった。

【カテゴリ売上】
カレーカテゴリの売上が前年対比105.5%(全店平均の+0.9ポイント)に。選ぶ楽しみを提供することで、売れる商品のすそ野が広がり、カテゴリ全体の売上が伸長した。

【売れるPOP作成】工数をかけずに購買につながるPOPを自動作成することができた。

これらの成果は、メーカーが販促費を使うことなくお客の商品との出会いを創出することに繋がり、小売事業者、メーカー、消費者の3者の課題を解決する。

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