コモディティ食品値上げの夏から秋、プライベート・ブランドへの傾斜が進む?
今日8月1日、バターやハム・ソーセージが値上がりする。
雪印メグミルクが今日の出荷分から、家庭用チーズ22品目の価格を引き上げる。
商品によって異なるが、4.7%から最大で14.3%の値上げ。
主力商品「雪印北海道100カッテージチーズ」(100g)は希望小売価格が215円から230円になる。
明治は、「北海道バター」「北海道十勝カマンベールチーズ」など10品目を2.1%~10%、
森永乳業が3品目を、2.6%~7.1%値上げ。
加工肉メーカーではすでに、日本ハムと伊藤ハムが7月にハム・ソー製品を値上げ。
8月からは丸大食品とプリマハムがそれに続いて、容量を減らす実質値上げ。
伊藤ハムでは加工肉とは別に、8月に仕入れ商品の「キリ クリームチーズ」などの商品を、5日からは、ロッテが、一部の大袋入りチョコレートを実質値上げする。
これらはすべて原材料高騰によるもの。
家庭用製品だけに限らない。 外食でも値上げの動きがある。
長崎ちゃんぽんのリンガーハットは今日から、ほぼすべてのメニューを約3〜5%値上げする。
値上げの嵐は7月から8月へ、そして9月へと吹き続ける。
9月からは、ヨーグルトなどの出荷価格も引き上げる。
雪印メグミルクは家庭向け市乳7商品を9月1日から引き上げる。
プレーンヨーグルトの売れ筋「ナチュレ 恵megumi」(400g)は、230円から235円に、「すっきりCa鉄」(500ml)は120円から125円にと、全体では2.2~5.3%の値上げ幅となる。
一方、缶詰類も9月から一斉値上げの発表がされている。
日本水産はちくわやカニ風味かまぼこなど32品目を、内容量を減らすなどして5〜16.7%の実質値上げ。マルハニチロも市販用缶詰・瓶詰の60品目(さけ群12品1、さば群7品、かに群23品、ほたて群18品)、市販用レトルト食品は5品目を、約8~30%引き上げる。
UCC上島珈琲も、ブルーマウンテンコーヒー7製品の出荷価格を4割ほど引き上げる。
お客にとっては消費税増税に続く、豚肉から始まった必需食品価格高騰のダブルパンチ。
6月以降は消費マインドも回復基調に入ったと見込まれていたが、
夏から秋へかけての必需消費の値上げの嵐は、台風並みに家計を直撃するやもしれない。
朝日新聞のコラム『経済気象台』。
「物価環境が変わった」と指摘する。
これまでは円安・原油高による「輸入インフレ型」だった。
しかし「国産インフレ」の芽が生まれつつある。
わかりやすいのがガソリンの価格上昇。
7月、国際的な原油相場が一時下落したにもかかわらず、国内ガソリン価格はじりじりと上がった。
なぜか。
ガソリンスタンドの過当競争で、全盛期の半分くらいまで供給業者が減った。
その結果、寡占化が進み、それによってガソリン供給業者に「価格設定力」が戻ってきた。
そこに消費税の増税。
「恐る恐る価格転嫁をして見たら、思いのほか抜け駆けする業者がない」
そこで「業者は価格戦略に自信を取り戻しつつある」
経済気象台のコラムニストは断じる。
「これまで鬱積してきた分も企業は取り戻しを図ろうとしている」
その結果、「家計は過去20年に見られなかった物価高に直面するだろう」。
この時、威力を発揮するのが小売りのプライベート・ブランド、あるいはオリジナル商品。
ただでさえ、必需のコモディティ商品はPB化が進んでいる。
PBの嵐も、同時に吹き荒れることは間違いない。
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