7月百貨店売上速報|外出機会増加で夏物好調/4社ともに2桁増収

主要百貨店4社の7月売上高が発表された。既存店売上高は三越伊勢丹百貨店は前年比122.2%、大丸松坂屋百貨店は113.2%、阪急阪神百貨店は110.2%、高島屋は110.6%だった。4社ともに2桁増収だった。

(株)三越伊勢丹ホールディングス(東京都新宿区、細谷敏幸社長)の総売上高は、前年同月比122.2%。伊勢丹新宿本店の店頭売上げは前年比129.9%、日本橋本店は113.8%、銀座店は126.3%、立川店は106.8%、浦和店は108.9%だった。

首都圏を中心に外出機会の増加などを背景に、消費トレンドへの影響は限定的で、三越伊勢丹が中心となり売上げを牽引した。とくに、伊勢丹新宿本店・三越日本橋本店は2019年の実績を上回り、三越伊勢丹計では9か月ぶりに2019年の実績を超えた。

伊勢丹新宿本店・三越日本橋本店では、引き続きラグジュアリーブランドなど高付加価値な商品への購買意欲が高く、時計・宝飾・ハンドバッグに加え、早期の梅雨明けによる気温上昇で、夏物衣料(ワンピース、カットソーなど)や服飾雑貨(晴雨兼用傘、サングラスなど)が大きく伸長した。

免税売上げは、6月の入国制限の緩和を受け、三越伊勢丹計、国内百貨店計ともに前年実績を上回り、緩やかな回帰傾向を見せた。

J.フロントリテイリング(株)(東京都中央区、好本達也社長)は、大丸松坂屋百貨店合計が前年同月比112.1%。博多大丸、高知大丸を含む百貨店事業全体では111.7%。

新型コロナウイルス感染症の再拡大に伴う外出自粛から、下旬に入店客数が減少したものの前年実績を上回り、大丸松坂屋百貨店合計(既存店)では前年同月比113.8%、関係百貨店を含めた百貨店事業合計(既存店)では113.2%だった。

店舗別では、大丸神戸店と松坂屋名古屋店が2019年実績も上回った。商品別では、ラグジュアリーブランドや宝飾品が引き続き全体を牽引したほか、猛暑影響や夏季休暇に向けた消費の動きが見られ、パラソルやキャリーケースなどが好調だった。

大丸松坂屋百貨店合計の免税売上高は、対前年433.6%増(客数441.0%増、客単価1.4%減)だった。

エイチ・ツー・オーリテイリング(株)(大阪市北区、荒木直也社長)の(株)阪急阪神百貨店(大阪市北区、山口俊比古社長)は、前年比110.2%。阪急本店が前年比111.0%、阪神梅田本店が182.1%だった。

7月に入り新型コロナウイルスの新規感染が全国的に急拡大し、中旬以降、売上高の伸びは鈍化するも、阪急・阪神両本店が牽引し、売上高は前年比2桁増だった。インバウンドを除く国内売上高の2019年対比は、都心店計で100%とコロナ前と同水準の結果。なかでも阪急・阪神両本店の国内売上高はともに104%、阪神はインバウンドを含めた対比でも102%といずれも実績を上回った。

お中元ギフト商戦累計では、昨年高伸したインターネット受注は売上高前年対比100%と堅調も、7月に入り感染急拡大に伴い店頭での承りが苦戦し、合計で前年実績を下回った。商品別では、猛暑により、ビール・そうめん・涼菓・清涼飲料が健闘した。

6月にビジネスモデル特許を取得したリモートショッピングサービス「Remo Order」が、支店での活用もさらに広がり、売上高は前年比約3割増と好調だった。

 

(株)高島屋(大阪府大阪市、村田善郎社長)の店頭売上高は、高島屋単体の11店舗で既存店前年比111.1%、国内百貨店子会社3社を加えると前年比110.6%だった。7月度の店頭売上げは、新型コロナウイルスの感染者数が増加したものの、高額品をはじめ消費意欲が堅調であったことから、前年実績を上回った。

商品別売上げでは、紳士服、紳士雑貨、婦人服、婦人雑貨、特選衣料雑貨、宝飾品、呉服、子供情報ホビー、スポーツ、リビングなどが前年実績を上回った。

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