11月百貨店売上速報|4社とも増収/高額品と免税売上が好調

主要百貨店4社が11月の売上高速報を発表した。既存店売上高は三越伊勢丹百貨店は前年比115.2%、大丸松坂屋百貨店は109.5%、阪急阪神百貨店は111.0%、高島屋は106.5%だった。4社とも前月に続き伸長した。

(株)三越伊勢丹ホールディングス(東京都新宿区、細谷敏幸社長)の総売上高は、前年同月比115.2%。伊勢丹新宿本店の店頭売上げは前年比121.4%、日本橋本店は107.6%、銀座店は125.0%、立川店は95.2%、浦和店は106.2%と好調だった。

免税売上の増加により、首都圏三越伊勢丹を中心に売上を牽引し、売上前年比は㈱三越伊勢丹計で115.2%、国内百貨店計で109.4%であった。伊勢丹新宿本店は2022年4月以降、8ヵ月連続で2018年を上回る実績で推移をしている。伊勢丹新宿本店・三越日本橋本店では、ラグジュアリーブランド等の高付加価値な商品の購買意欲が引き続き高く、宝飾、時計、ハンドバッグなどが好調を維持。

また、伊勢丹新宿本店では、婦人のコート・ジャケットなどの重衣料の購買も伸長した。高額品への購買意欲も引き続き高かった。

免税売上げは10月の入国制限の緩和以降、首都圏店舗を中心に回復傾向を見せ、ラグジュアリーブランドの衣料品、宝飾、時計、ハンドバッグを中心に好調で、伊勢丹新宿本店・三越日本橋本店では2018年実績を上回った。

J.フロントリテイリング(株)(東京都中央区、好本達也社長)は、大丸松坂屋百貨店合計が既存店前年同月比109.5%。博多大丸、高知大丸を含む百貨店事業全体では111.8%。

入国制限の緩和や円安影響により免税売上げが前年の7倍と増加した。ラグジュアリーブランド、美術宝飾品が引き続き好調を持続した。大丸松坂屋百貨店合計の免税売上高(既存店)は、対前年635.7%増(客数同3212.9%増、客単価同77.8%減)だった。

エイチ・ツー・オーリテイリング(株)(大阪市北区、荒木直也社長)の(株)阪急阪神百貨店(大阪市北区、山口俊比古社長)は、既存店前年同月比111.0%。阪急本店では111.4%、阪神梅田本店が148.7%だった。

新型コロナウイルスの感染者数が増加に転じたが、来店客数が堅調に推移し売上高は前年実績を大幅に上回った。とくに都心店が、前月に続き2けた増と好調だった。

阪急本店10月、11月と連続で過去最高の売上高を達成。秋冬商品の実需期を迎え、化粧品も含め婦人ファッション全般の売上高が前年2けた増と活況。中でも、ラグジュアリー、アクセサリー、バッグ゙などの売上高は前年の2割増を超えた。

また、クリスマスケーキの受注は、前年に対して売上高が約1割増で推移し、パーティーを想定した大きいサイズのホールケーキが好調。宝飾品の売上高は前年の約1.5倍で、100万円以上の高額品の売上高も約1.5倍となった。

(株)高島屋(大阪府大阪市、村田善郎社長)の店頭売上高は、高島屋単体の11店舗で既存店前年同月比106.5%、国内百貨店子会社3社を加えると前年比105.6%となった。

11月度の店頭売上げは、高額品が好調であることに加え、入国規制緩和による免税売上増加により、前年実績を上回った。商品別売上げでは、紳士服、紳士雑貨、婦人服、婦人雑貨、特選衣料雑貨、宝飾品、スポーツ、食料品、食堂が前年実績を上回った。

関連カテゴリー

月次 最新記事

一覧

最新ニュース

一覧