ニトリnews|カーペット・敷ふとんの再資源化の仕組みを構築
(株)ニトリ(北海道札幌市北区、武田政則社長)は、顧客から回収したカーペット・敷ふとんを再資源化する仕組みを構築し、2022年12⽉12⽇(⽉)〜2023年1⽉8⽇(⽇)の約4週間、神奈川県のニトリ8店舗で回収した。
「カーペット・敷ふとん」は、処分に困る製品の第1位・第2位にラインクインするものだったが、製品の特性として分別困難という課題があり、ニトリがこれまでに構築した仕組み(下図【1】【2】)では対応できなかった。しかし、(株)タケエイ(東京都港区、阿部光男社長)と住友⼤阪セメント(株)(東京都港区、 諸橋央典社長)と協業することで、「カーペット・敷ふとん」を再資源化する仕組み(下図【3】)を構築することができるようになった。
この仕組みは、「資源をひとつも無駄にせず、ごみを出さない」取り組みであるとともに、化⽯エネルギーや、埋⽴処分量の削減にも寄与しており、限りある資源を守る施策として有効と⾔える。
【1】「製品を、再び製品にする仕組み」では、全店舗で⽻⽑布団を回収し、⽻⽑を洗浄・加⼯し、再製品化することができた。この再製品化は、⼀番理想的な⼿段だが、コストや技術の観点から、まだ課題もある。【2】「製品を、次の素材にまわす仕組み」では、全店舗でカーテンを回収し、海外で製品や⽣地素材としてリユースするほか、国内で⾃動⾞の断熱材として利用することができた。再製品化が困難な製品でも、この仕組みによって、製品をごみではなく次の素材にまわすことが可能になった。
【3】「製品を、次の資源にまわす仕組み」では、①不要になったカーペット・敷ふとんを回収(ニトリ)、②中間処理として破砕(タケエイ)、③破砕物を熱エネルギーとして活⽤した上で、そこで発⽣した灰を捨てずに、さらにセメント原料として活⽤(住友⼤阪セメント)という3つの⼯程で3社が協業した。
「カーペット・敷ふとん」の回収について、今回は⼀部店舗での実施だったが、今後は全国・全店規模での回収〜再資源化の仕組みを構築していく。
■「カーペット・敷ふとん」の再資源化の実証実験における各社の役割
①回収⼯程:ニトリ
2022年12⽉12⽇(⽉)〜2023年1⽉8⽇(⽇)の約4週間で、神奈川県の8店舗で回収したカーペット・敷ふとんは約275kgにおよび、33組の顧客が参加した。顧客からは、「⼤掃除のタイミングだったので丁度よかった」「通常であれば処分料がかかり、処分に困っていたので、よかった」「捨てるのには罪悪感があったため、参加できてよかった」などの声があった。
②中間処理⼯程:タケエイ
セメント材料として使える状態に破砕する。
③再資源化⼯程:住友⼤阪セメント
中間処理(破砕)後に、住友⼤阪セメント⼯場に持ち込み、セメント製造における約1450℃の焼成⼯程の熱エネルギーとして利⽤する。焼成後の灰になった成分(灰分)や残渣は、原料に再利⽤され、セメント製品に⽣まれ変わる。この工程では⼆次廃棄物の発⽣もなく、最終処分場の延命にもつながる。