6月百貨店売上速報|4社とも減収/高島屋97.8%・大丸松坂屋95.4%
主要百貨店4社が5月の売上高速報を発表した。既存店売上高は三越伊勢丹百貨店は前年比90.8%、大丸松坂屋百貨店は95.4%、阪急阪神百貨店は88.0%、高島屋は97.8%だった。
(株)三越伊勢丹ホールディングス(東京都新宿区、細谷敏幸社長)の国内百貨店売上げ合計は前年同月比で90.8%。伊勢丹新宿本店の店頭売上げは89.4%、三越日本橋本店は95.3%、三越銀座店は88.5%、伊勢丹立川店は93.7%、伊勢丹浦和店は92.5%%。首都圏5店で既存店90.9%となった。
識別顧客を中心に引き続き高付加価値商品への関心が見られ、なかでも次シーズン(25年プレフォール)を立ち上げた伊勢丹新宿本店では、ラグジュアリーブランドやデザイナーズブランドを中心のアイテムが好調だった。また三越日本橋本店では独自イベント開催により新規顧客の来店も促進した。海外顧客については、引き続き関心は高いが前年実績には届かず。新たにローンチした海外顧客向けアプリの会員数は引き続き増加している。
免税売上げは前年を下回っているが、識別化が順調に進んでいる国内顧客売上高は首都圏を中心に堅調に推移した。
J.フロントリテイリング(株)(東京都中央区、好本達也社長)は、大丸松坂屋百貨店合計が既存店前年同月比97.4%。博多大丸、高知大丸を含む百貨店事業全体でも95.4%だった。
6月度の売上高は、外商売上が好調を持続したものの、ラグジュアリーブランド、化粧品などが前年実績を下回った。
店舗別では、アニメ・キャラクターゾーンなどが好調に推移した梅田店が前年実績を上回った。
大丸松坂屋百貨店合計の免税売上高(速報値)は、化粧品を中心とした消耗品が好調だったが、ラグジュアリーブランドなどを含む一般品の売上が前年を下回るなど客単価の低下で対前年比68.6%(客数同0.6%減、客単価同31.0%減)となった。
エイチ・ツー・オーリテイリング(株)(大阪市北区、荒木直也社長)の(株)阪急阪神百貨店(大阪市北区、山口俊比古社長)の売上高は前年同月比88.0%、阪急本店が82.0%、阪神梅田本店が108.2%だった。
単月では、免税売上高が引き続き高い前年実績の反動と円高傾向の定着により、前年に対して約4割減と3月以降苦戦が継続。それに伴い阪神梅田本店を除く都心店の売上高は前年を下回った。一方、食品の売上は安定的に推移し郊外店の売上高は前年を上回った。
阪神梅田本店は改装以降、導入した大型専門店とその他売場との来店客の買い回りも多く、特にファッションとライフスタルカテゴリーの売上高は前年の約1割増と伸長した。人気催事も後押しし、店舗全体として前年比約1割増と好調を継続している。また、前月にリモデルオープンした川西阪急スクエアの売上高も前年に対し5%増と好調だった。
(株)高島屋(大阪府大阪市、村田善郎社長)の既存店売上高は、高島屋単体の10店舗で前年同月比97.8%、国内百貨店子会社3社を加えると97.8%だった。
6月度の店舗別売上高は、日本橋店103.5%、玉川店108.6%、大宮店101.5%、EC店108.9%と4店舗が前年実績を上回った。
商品別売上高(同社分類)は子供情報ホビー、美術、食堂が前年実績を上回った。