イオンnews|第1Q営業収益2兆5669億円/過去最高収益も最終損失

イオン(株)(千葉県千葉市、吉田昭夫社長)の2026年2月期第1四半期の決算は営業収益2兆5668億9700万円(対前年同期比4.8%増)、営業利益562億8200万円(17.8%増)、経常利益480億5600万円(5.9%増)となった。四半期純損失は65億7000万円(前期33億4800万円の純利益)。営業収益、営業利益は四半期で過去最高となった。イオンフィナンシャルのベトナム子会社における不適切な会計処理トラブルや、ヘルス&ウエルネス事業等の事業再編に伴う税効果会計の影響など一過性の要因から純損失となった。

営業利益率2.2%(2.3%)、経常利益率1.9%(2.6%)。( )は前年数値。

すべてのセグメントで増収となり、主要事業で増益となった。

セグメント別にみるとGMS事業は、営業収益8882億4700万円(対前年同期比4.0%増)、営業損失17億8700万円(前年同期より16億6000万円の改善)となった。中核会社のイオンリテール(株)は、「荒利益額の最大化」「ショッピングセンター収益改善」「デジタル売上拡大」を軸に収益構造改革を継続し、新規顧客の獲得、荒利益額拡大と経費削減による収益性の向上を進めた。結果、増収および損益改善となった。

とくに荒利益額の最大化については8店舗を新規出店、(株)ダイエーから承継した店舗を含む既存店の活性化を実施し、食品とH&BC分野では最新の売場MDを導入した。衣料・住居余暇は専門店モデルの拡大とSPA(製造小売業)化の推進を図り、商品・売場改革を推進した。

価格・差別化戦略は、生鮮食品やPBによる価格訴求、専売ブランドの強化を通じて、消費の二極化への対応を進めた。ショッピングセンター収益改善は、若年層や子育て世代に対し、利便性を意識した「そよら」業態の出店を進め、期末で累計17店舗となった。

SM事業は、営業収益7604億6600万円(4.1%増)、営業利益69億8500万円(前年同期より34億5600万円の増益)となった。トップバリュ拡販、Key Value Itemの価格訴求や販管費改革が奏功した。DX活用による生産性向上も貢献した。また、まいばすけっとが事業をけん引した。

DS事業は、営業収益1079億9900万円(7.5%増)、営業利益18億1600万円(前年同期より9800万円の減益)となった。節約志向が高まる中、「安さ」を打ち出し、生鮮食品を中心とした価格競争力の強化やDS業態独自PBの開発・拡販を推進により、既存店売上高、来店客数はともに前年同期を上回り、増収となった。一方で、人件費や新店開業、店舗業務デジタル化に伴う設備費など、販管費が増加した影響により営業利益は微減となった。

ヘルス&ウエルネス事業は、営業収益3359億7700万円(5.7%増)、営業利益84億4800万円(前年同期より31億0500万円の増益)となった。ウエルシアホールディングス(株)は、2030年に「地域No.1の健康ステーション」の実現を掲げ、物販・調剤・サービスの強化に取り組んでいる。

物販部門は、健康志向の高まりを受けてたばこの取扱いを終了した一方、季節関連商品や食品の伸長、機能、品質、エコ性能を追求したオリジナルPB「からだWelcia」「くらしWelcia」の拡販、WAON POINTサービスの利用拡大に取り組んだ。調剤併設店舗の拡大(期末で2272店舗)により処方せん受付枚数が増加し、物販・調剤の既存店売上高は堅調に推移した。期末のグループ店舗数は3005店舗。

総合金融事業は、営業収益1393億7600万円(9.6%増)、営業利益134億0700万円(前年同期より15億0800万円の減益)となった。

ディベロッパー事業は、営業収益1283億3700万円(5.3%増)、営業利益171億7900万円(前年同期より14億5000万円の増益)。イオンモール(株)は7月1日付でイオンの完全子会社となった。

サービス・専門店事業は、営業収益1866億8300万円(2.8%増)、営業利益69億6200万円(前年同期より8億4900万円の増益)となった。

国際事業は、連結対象期間は主として1月から3月となる。営業収益1516億4800万円(6.6%増)、営業利益42億3700万円(前年同期より2億8300万円の増益)となった。とくにベトナムは、対前年同期比6.9%増とマレーシアを上回る伸びを示し、過去5年間で最も高い成長率となった。AEON VIETNAM CO.,LTD.の売上高は、新店の寄与や既存店の堅調な推移により、売上高は前年同期比126.8%と大きく伸長した。

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