コスモス薬品5月末通期決算は売上高4084億円で、ドラッグストア第3位へ

㈱コスモス薬品(本社/福岡市博多区、代表取締役社長/宇野正晃)が平成27年5月期の決算で4000億円の大台を突破した。
その売上高4084億6600万円(前年同期比9.9%増)。営業利益は170億8000万円(2.2%増)、経常利益は190億2800万円(4.6%増)、純利益は116億9400万円(前年同期比10.3%増)で、増収増益。営業利益率4.16%、経常利益率4.66%。
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売上高の内訳は以下の通り。
医薬品 641億8000万   前年同期比6.1%増   構成比15.7%
化粧品 446億1900万円       4.3%増      10.9%
雑貨  693億8300万円       10.7%増      17.0%
一般食品  2237億7400万円    12.2%増      54.8%
その他   63億5900万円      2.4%増       1.6%

売上げの50%以上を食品が占める。食品だけで2238億円の年間売上げ。雑貨を合わせると 2932億円。しかも、食品の伸びが12.2%、雑貨が10.7%。医薬品は6.1%増、化粧品は4.3%増。しかも超ディスカウントの食品の伸びがドラッグストア第3位に躍進し た原動力。これは周辺の食品小売業にとっては脅威だ。

 

コスモス薬品は、EDLP(エブリディ・ロー・プライス)の小商圏型メガドラッグを標榜し、九州から関西まで656店舗を展開するドラッグストア業界の寵児。ドラッグストとしての接客サービスレベルを維持しつつ、ローコストオペレーションを志向。そして「良い商品を1円でも安く」というコンセプトで、一般食品や日用雑貨のプライベートブランドを強化し、各地でディスカウントを仕掛けている。

平成27年5月期には、同社の言葉を借りれば、「自社競合による一時的な収益性の低下も厭わず、次々と新規出店」を実施し、ドミナント化を進めてきた。出店は関西地区に11店舗、中国地区に16店舗、四国地区に9店舗、九州地区に48店舗の合計84店舗。スクラップは5店。
その結果、5月末の期末店舗数は関西地区48店、中国地区89店、四国地区76店、地元の九州地区443店をネットワークする。とくに九州地区では、その店舗数をもって、低価格競争の台風の目となっている。

 

平成28年5月期も、EDLP政策を一層強化し、店舗運営コストの極小化に努めながら、さらなる販売価格の引き下げを図っていくと宣言する。
新規出店は、九州地区で高密度店舗網の構築を進めるとともに、第3四半期以降は関西地区に加えて新規出店エリアとなる中部地区を含めた九州外エリアへの出店を加速させる。全体では90店舗の出店(6店舗の閉鎖)を計画する。

業績予想は、売上高4400億円、営業利益174億円、経常利益191億円、親会社株主に帰属する当期純利益117億円を見込む。

そのスタートはどうか。6月の売上高は全店ベース(2店舗純増)では103.5%、既存店ベースでは98.3%。既存店は5月、6月の2カ月連続で前年同月100%を下回っている。

 

それにしても、売上高4000億円超えは、マツモトキヨシホールディングス4855億1200万円(3月期)、サンドラッグ4458億1800万円(3月期)に次いで、3番目の3位。第4位のツルハホールディングス3884億6500万円を上回る。この勢いはどこまで続くのか。

ただし、Global500のランキングで世界のドラッグストアを見渡すと、CVSヘルス(アメリカ)は1267億6100万ドル(120円換算で1兆5211億円)、ウォルグリーン(アメリカ)は722億1700万ドル(8666億円)。巨大なドラッグストアチェーンが存在して、まだまだコスモス薬品の規模は国内レベルのスケールではある。

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