西鉄とマルキョウ提携、福岡トップシェアに

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西日本鉄道が、九州のスーパーマーケット・チェーンのマルキョウと資本・業務提携する。

昨4日、両社が記者会見を開き、発表した。

 

西鉄が12月にマルキョウの発行済み株式の15%を取得して筆頭株主になり、マルキョウは西鉄の持ち分法適用会社となる。

 

現在、マルキョウの斉田敏夫社長の母キミヨ氏が発行済み株式の27.02%を保有する筆頭株主。西鉄はキミヨ氏から株式を取得するが、取得額は未定だ。

 

西鉄のメーン事業は、もちろん鉄道事業を含む運輸業だが、その他にも不動産業、物流業、レジャー・サービス業などを営む。それら主要事業の中に、「西鉄ストア」「あんくるふじや」のスーパーマーケット事業がある。

 

福岡県や佐賀県に西鉄ストア54店舗、あんくるふじや32店舗の計86店舗を展開する。

 

西鉄の小売事業の2013年3月期の営業収益は、809億7000万円(前年同期比9.0%増)。西鉄の連結営業収益3383億8700万円の24%を占める主要なセグメントだ。

 

しかし、主力の西鉄ストアの営業収益は659億7900万円(同▲2.2%)。競合店との競争で既存店の売上高が低迷している。

 

一方、マルキョウは福岡県大野城市に本社を置く福岡証券取引所上場企業。1964年に設立された丸共ストアーから発展し、現在、福岡県59店舗、長崎16店舗、佐賀11店舗、熊本4店舗、大分7店舗の計97店舗を展開するリージョナル・チェーンだ。

 

マルキョウの2012年9月期の連結売上高は878億2600万円(前年同期比▲3.5%)、営業利益16億2800万円(同▲8.1%)、経常利益18億2900万円(同▲6.1%)、当期純利益6億0100万円(同▲35.0%)。
売上高と店舗数では西鉄を上回るものの、こちらも苦戦している。

 

マルキョウはディスカウントストアやコンビニエンスストアとの業態間競争が激しくなり、生き残りを賭けて提携先を探していた。

 

最近は、特にディスカウントストアの攻勢が激しい。
その急先鋒が、トライアルカンパニー。本社のある福岡県を中心に九州に69店舗を展開する。九州以外にも積極的に出店し、2013年3月期の売上高は前年同期比10.1%増の2784億円。店舗数も前期から21店増えて159店舗にまで成長している。

 

今回の資本・業務提携により西鉄とマルキョウの店舗を合わせると、食品販売シェアが福岡県と佐賀県でトップになる見込み。

 

両社は今後、商品の仕入れやプライベートブランド(PB)商品の開発、店舗資材の調達等を共同で行うほか、物流センターや情報システム等の相互のバックシステムの活用・連携、ノウハウの交換や人材の交流に取り組む。

 

食品市場のパイを巡る業態を超えた競争が、今後も企業規模拡大を目指すM&Aを加速させる。

 

 

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