ダイエー新体制 イオンへの一元化で再建
イオン出身者で経営再建。
ダイエーが22日、株主総会を開催し、
イオン出身の5人を新たに取締役として選任した。
新たに選任されたのは
イオンの村井正平専務執行役を筆頭に、
グループの近澤靖英氏、荻谷裕氏、寺嶋晋氏、豊島正明氏の5人。
これに伴って、
イオン出身の川戸義晴会長、
丸紅出身の桑原道夫社長、
イオン出身の川本敏雄常務執行役員、
丸紅出身の小倉泰彦執行役員の4人が退任した。
総会後の取締役会で
村井氏が新社長に就任した。
22日現在、
丸紅がダイエー株式の29.35%を、イオンが19.89%を
それぞれ保有している。
ダイエーの2013年2月期決算は、
連結売上高が前年比4%減の8312億円、
営業損益は26億円の赤字。
当期純損失36億9300万円を計上した。
5期連続の赤字。
来年2014年2月期の見込みも、
最終損益30億円の赤字で、
6期連続の最終赤字の見込み。
9人の取締役のうち5人を
イオン出身者で固めた新体制で
経営再建は果たせるか。
ダイエーの再建は、
丸紅&イオンの二人三脚から、
イオン一本に絞られ、スピードアップすることは確実だ。
具体的には、
第1に本部人員が過多だと言われる問題に関して、
イオンは多数の新店を予定し、そこへの出向の形をとって、
人材の再配置を行う。
第2に平均店舗年齢が30年で、過半数が赤字店舗という老朽化に関しては、
スクラップ&ビルドの再投資が必要になる。
第3に商品に関しては、
仕入れ先の一元化とPBの「トップバリュ」への一本化が図られる。
ダイエーでは8月にも中期3カ年経営計画がまとめられることになっている。
いまのところそれは、2015年2月期の最終黒字を目指しているが、
村井新社長のもと、迅速で抜本的な内容になる。
村井社長のコメント。
「再建は一刻の猶予もない」
ただしイオングループ全体でみると、
首都圏、関西圏など都市圏のシェアは、
確実にアップする。
特に首都圏では、スーパーマーケット4社の持分法適用関連会社がある。
東京、神奈川、千葉、埼玉のマルエツ(3156億円)、
東京都中心のいなげや(2217億円)、
茨城県から千葉県のカスミ(2283億円)、
埼玉県を基盤とするベルク(1331億円)。
これらの売上高合計は8987億円。
そこにほぼ完全子会社化するダイエーの首都圏店舗が加わることになって、
イオンの総合力はますます高まることになる。
ダイエー単独での再建から、
イオングループの中での蘇生へ。
「一刻の猶予もない」という村井新社長のコメントが、
それを物語っている。
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