9月6業態統計まとめ|地震・台風のなか5業態増収/百貨店だけ減収

主要業態別の9月売上高が出揃った。百貨店、総合スーパー、スーパーマーケット、コンビニの小売り主要4業態に、ショッピングセンターと外食産業を加えた動向を報告する。

9月は、北海道地震や2度の台風で、休業や時間短縮した店舗も多かった。また、関西国際空港の閉鎖や交通機関の計画運休など、客数減少につながる要因が多かった。しかし、土日祝日が昨年より多い曜日回りや、タバコ増税の駆け込み需要、災害特需も売上げ増加要因となり、6業態中5業態が前年同月を上回った。百貨店だけが前年に届かなかった。

コンビニエンスストア +3.5%
外食産業 +3.0%
スーパーマーケット +2.3%
総合スーパー +1.9%
ショッピングセンター +1.5%
百貨店 ▲3.0%

コンビニの既存店売上高は3.5%増。好調要因は二つある。一つは、カウンタ―商材や調理麺、惣菜、おでん、冷凍食品などの中食が、引き続き好調に推移したこと。もう一つは、10月のたばこの増税に伴う駆け込み需要。しかし、秋雨前線の停滞、2度の台風などで降水量が多かったことが、客数減となった。商品分野別では、日配食品0.3%減、加工食品0.2%減、非食品はたばこ需要で、13.8%増、サービスは7.6%減。

外食産業は、北海道地震や2度の台風上陸で、休業や営業短縮を余儀なくされた店舗も多かった。とくに、近畿や首都圏では交通機関の計画運休が実施されて、客数減少要因となった。しかし、土日祝日の日数が昨年より2日多い曜日回りがプラス要因となり、全体の客数は前年より0.2%増加した。キャンペーン効果や季節メニューの訴求で単価は2.7%上昇。その結果、全店売上高は3.0%の増収と、25カ月連続で前年を上回った。

スーパーマーケットは、既存店売上高2.3%増と、6月から4カ月連続で前年を上回っている。9月は、曜日周りと天候不順による青果の相場高。この二つがプラス要因だ。一方、北海道胆振東部地震と度重なって襲来した台風はマイナス要因となった。ただし被災地では特需も発生した。

総合スーパーの既存店売上高は1.9%前年を上回った。食料品は2.8%、住関品は0.8%の増収だ。衣料品は、婦人・紳士衣料ともに振るわず、5.6%減。食料品の伸びをけん引したのは相場高の農産品で5.3%増。住関品のうち日用雑貨品、医薬・化粧品、家具・インテリア、家電製品は前年をクリアしている。

ショッピングセンターは、既存店1.5%増と2カ月連続で増収。2つの台風の上陸、震度7を記録した北海道胆振東部地震と自然災害が相次いだため、臨時休業した店舗もあり、一部の地域では苦戦が見られた。しかし、昨年よりも休日が2日多く、3連休が2回あったこともあり、全体としては前年同月を上回った。

百貨店の既存店売上高は3.0%減。2度の台風上陸、北海道地震などで多くの店舗が休業や営業時間の短縮を余儀なくされた。主要5品目では、雑貨が0.6%増で、22カ月連続前年超え。一方で衣料品、身のまわり品、家庭用品、食料品の4カテゴリーは減収だ。しかし、外国人売上高は246億円で6.3%アップ、22カ月連続で伸長している。大阪地区では、台風で関西空港が一時閉鎖したが、大阪滞在中の外国人観光客が、名古屋や福岡に宿泊地や観光地を変更したことで、それを補うことができた。

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