2月外食産業統計|恵方巻・肉の日・プレミアムフライデーで売上高1.8%増
一般社団法人日本フードサービス協会(JF)から、2月の外食産業市場動向調査が発表された。事業社数は192社で店舗数は3万3752店。この調査は、新規店も含めた全店を対象として、業態別に集計している。内訳は以下のとおりで、ファストフードが全店舗数の約52%、ファミリーレストランが約28%。併せて8割を占めるこの二つの業態の動向が外食産業の結果に大きく影響する。
全体概況
2月は昨年のうるう年の反動を受け、営業日数が1日少なかったことで各業態苦しんでいたが、外食産業はそれを尻目に1.8%プラス。とくにパブ・ビアホール5.5%、ファストフードは4.6%と好調。もし1日多かったら、増加率はもっと高かった。
態別概況
<ファストフード業態>
売上高4.6%、店舗数0.8%、客数2.4%、客単価2.2%とすべて前年同月を上回った。
洋風――売上高7.2%。「期間限定商品」などプロモーションが売上げを伸ばした。
和風――客数は▲0.7%だが、新メニューの投入により客単価が上昇し売上高1.4%。
麺類――店舗数が4.6%と大幅な増加。またCM効果もあり、売上高3.3%と好調。
持ち帰り米飯・回転寿司――恵方巻の売上げが好調。また回転寿司は価格高めの商品を増やしていることで、客数は減少しているものの、売上高は2.5%増加した。
その他――売上高2.0%。カレーは期間限定商品が客単価を引き上げた。
<ファミリーレストラン業態>
売上高▲1.4%。昨年のうるう年による営業日数1日減の反動をうけ、客数(▲2.3%)に影響が出て3業態がマイナス。洋風(売上高▲0.7%)和風(売上高▲3.0%)中華(売上高▲1.8%)。
しかし、焼き肉だけは、2月9日「肉の日」のキャンペーンが集客を呼び、客数は4.4%増加。売上高3.3%と好調だった。
<パブ・居酒屋業態>
パブ・ビアホール――店舗数が4.0%増えたことで客数6.6%増。売上高も5.5%と好調だった。
居酒屋――店舗数、客数、客単価すべてマイナスで、売上高▲4.7%。しかし、都心部ではプレミアムフライデー効果で集客増加となった店舗もあったという。
<ディナーレストラン業態>
すべてのカテゴリーでプラスとなり、売上高は2.9%。
<喫茶業態>
季節メニュー、店舗キャラクターにちなんだ販促が売上げを伸ばし、0.6%増加となった。
2月の外食産業業態別の結果を、売上高伸長率順にまとめると
パブ・ビアホール5.5%、ファストフード4.6%、ディナーレストラン2.9%、喫茶0.6%。
一方、マイナスはファミリーレストラン▲1.4%、居酒屋▲4.7%という結果だった。
2月の外食産業は、昨年のうるう年による日数1日減の反動も跳ねのけ、売上高プラス1.8%。客数が1日分少ないのは、外食産業にとって痛手だ。そのあおりを受けたのはファミリーレストラン。洋風、和風、中華が客数の減少でマイナスとなった。しかしその中で焼肉だけは、2月9日の「肉の日キャンペーン」で好調を維持。また売上高はマイナスだったものの、居酒屋業態は一部で「プレミアムフライデー効果」があったと報告されている。ファストフードの「恵方巻」も好調だった。
特別な日の販促はどの業態にもプラスの要素をもたらす。それをどう売上げに結びつけるか。しばらく外食産業に学ぶ日々が続きそうだ。
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