4月外食統計｜全店売上高6.0％増/春休みや花見などで需要堅調

(一社)日本フードサービス協会（東京都港区、久志本京子会長）が2025年4月度の「外食産業市場動向調査」を発表した。調査企業数は222社、店舗数は3万6188店舗。このうちファーストフードは2万1049店舗で、全体の58.1％を占める。

4月の外食全体の売上げは前年同月比106.0％、店舗数は100.5％、客数100.9％、客単価は105.1％だった。4月は、前月のような気温の寒暖差もなく比較的安定した天候のもと、春休みやお花見、大型連休などで人出が増え、単月の訪日外客数が過去最高を更新した。またインバウンド需要も引き続き好調で、加えてメニュー価格の改定による客単価上昇が続いてている。

外食全体の売上は比較的堅調だが、物価高騰が続いていること、また4月から値上げされる原材料品目も多く、外食企業の今後の経営の圧迫が懸念される。

ファーストフード業態の売上げは104.4％。「洋風」は、各種値引きキャンペーンや期間限定商品、お得なランチメニューなどが好調で104.5％。「和風」は、前月の異物混入報道の影響で客数が大きく減少したが、客単価のカバーで、100.5％。「麺類」は、春休みの家族需要とサイドメニューの好評、割安感のある商品への消費者の支持が続いて、110.3％。「持ち帰り米飯／回転寿司」は、回転寿司の値上げで客数が伸び悩むも、客単価上昇により104.9％。

ファミリーレストラン業態の売上げは108.4％。コスパ重視の消費が続く一方、大型連休期間は高価格メニューも堅調と、消費の二極化が強まった。また低価格業態が引き続き好調で、「洋風」は107.5％、「和風」は110.8％、「中華」は114.3％となった。

パブ・居酒屋業態の売上げは103.7％。寒暖差の大きかった前月と比べて気候が安定したことで客足が戻りはじめた。

ディナーレストラン業態の売上げは107.7％。花見シーズンと単月過去最高のインバウンドで、都心部を中心に需要が引き続き好調だった。またお得感のある平日のランチメニューが引き続き家族連れなどに好評だった。

喫茶業態の売上げは111.2％。観光地など一部の立地では客数が伸びたが、全体の客数は振るわず、原材料価格の高騰に起因する価格改定が客単価上昇をもたらした。