10月百貨店統計|2度の台風で客足伸びず3カ月ぶりに1.8%減

日本百貨店協会より、10月の百貨店売上高概況が発表された。調査対象店舗は80社226店。

売上高は4693億7276万円、前年同月比▲1.8と、3カ月ぶりに前年同月を下回った。

2週連続の台風上陸と土曜日が一日少なかったことが、客数を減少させた。とくに94.0%を占める国内需要は▲4.7%となった。しかし、シェア6.0%の外国人売上高は約280億円で87.3%増。過去最高を大きく更新した。その要因の一つに、昨2016年は9月だった中秋節が今年は10月にずれ、国慶節休暇と重なったことにより連休が増えてインバウンドが増加したことが挙げられる。

地区別に見ると、主要10都市は対前年同月比0.4%と3カ月連続でプラス。
大阪9.5%、福岡3.0%、札幌2.7%、京都0.4%、横浜0.1%と5都市が前年を上回った。
一方、前年割れは5都市で、神戸▲30.9%、広島▲3.6%、名古屋▲3.1%、東京▲0.3%、仙台▲0.2%。

10都市以外の地域は▲6.4%で6カ月連続減少。
近畿▲19.3%、北海道▲8.6%、東北▲6.1%、四国▲5.3%、中部▲4.7%、関東▲4.1%、九州▲3.8%、中国▲3.5%と、全地域で前年を下回った。

主要5品目の10月の動向を見ると、雑貨だけが好調だった。
売上高は891億2710万円、9.0%増で11カ月連続でプラスとなった。とくに化粧品は20.1%増で31カ月好調が続いている。美術・宝飾・貴金属も5.8%と伸び率が高く、7カ月連続のプラス。

ほかの4品目はマイナスと苦戦した。衣料品は、1598億5772万円▲4.3%。9月にようやく23カ月ぶりに増収となったが、再度マイナスに転じた。紳士服、婦人服、子ども服、その他すべてが減収となった。

身のまわり品は、606億0325万円、▲1.7%。3カ月ぶりにマイナス。
家庭用品は189億7526万円、▲10.4%と二桁減。家電▲14.8%、家具は▲11.2%、その他家庭用品▲9.8%と大きく落ち込んだ。

食料品は、1146億4500万円、▲3.9%で5カ月連続マイナス。生鮮食品▲5.6%をはじめ、菓子、惣菜、その他食料品すべてが前年に届かなかった。とくに生鮮食品は43カ月連続マイナスだ。

大手百貨店グループの10月の業績は下記の通り(%はすべて対前年同月比)。

(株)三越伊勢丹ホールディングス
国内百貨店事業(三越伊勢丹合計+国内グループ百貨店合計)▲1.9%。
三越伊勢丹合計は▲2.9%。
雑貨や家電は好調だった。しかし衣料品は、冬物衣料に動きが見られたものの、不調に終わった。基幹3店の結果は、伊勢丹新宿本店+2.2%、三越日本橋本店▲11.1%、三越銀座店+13.1%と、明暗が分かれた。

J.フロント リテイリング(株)  百貨店事業 +2.3%。
気温低下に伴い、婦人・紳士ともにコート需要に動きがあった。化粧品、ラグジュアリーブランド、宝飾品も好調に推移した。百貨店事業合計は7カ月連続で前年実績を上回った。大丸松坂屋百貨店の免税売上高は、109%増(客数同67%増、客単価同25%増)と大幅な伸びを見せた。

(株)髙島屋 +2.5%
髙島屋および国内百貨店子会社 +2.2%
曜日回りや天候不順などマイナス要因もあったが、コートなどの防寒衣料が好調で、3カ月連続でプラスとなった。また免税売上げ前年同月比62.2%増と伸長した。

エイチ・ツー・オー リテイリング(株)  百貨店は+3.6%
阪急阪神百貨店の実績は、雑貨は21.8%と大幅な伸び。身の回り品も5.3%増となった。衣料品は▲0.2%だったが、紳士服だけは2.0%伸びた。食料品、家庭用品はマイナスだった。

10月は、協会発表では百貨店全体はマイナス。しかし、大手百貨店グループの結果を見ると、J.フロント リテイリング、髙島屋、エイチ・ツー・オー リテイリングの3社は、土曜日1日減という曜日回りや天候不順に見舞われながらもプラスを維持した。三越伊勢丹ホールディングスだけが前年に届かなかった。

検索ワード:日本百貨店協会 百貨店 10月 三越伊勢丹 J.フロント 髙島屋 エイチ・ツー・オー

 

関連カテゴリー

統計 最新記事

一覧

最新ニュース

一覧