JINS 米国に現法設立して来秋店舗オープン

低価格メガネ専門店「JINS」をチェーン展開するジェイアイエヌがアメリカに進出する。

 

昨16日開催の取締役会で、来月、アメリカに全額出資の子会社「JINS US, Inc.」を設立することを決定した。本社はデラウェア州に置く。資本金は1000万ドル(約10億円、1ドル100円換算)で、ジェイアイエヌの田中仁社長が現法の社長に就任する。

 

2014年秋を目途にカリフォルニア州サンフランシスコに第1号店を出店する計画。同時期にアイウエアのオンライ販売を開始する予定だ。

 

17日の日本経済新聞朝刊によると、アメリカでの販売価格は1本50~100ドル(約5000~約1万円)。つまり、日本と同じ価格帯。日本の約5倍の市場規模があるアメリカで、5年間で100店舗の展開を目指す。高品質で値打ち感がある製品によって、ウォルマート・ストアーズやターゲットなどに対抗する

 

ジェイアイエヌは2001年にアイウエア事業に参入した。2000年当時のメガネ一式の平均単価は3万0301円(株式会社サクスィード「眼鏡白書2001-2002」による)。ジェイアイエヌはツープライス(5250円、8400円)という新しいビジネスモデルを持ち込んだ。その後、フォープライス、スリープライスと修正を繰り返し、現在は4990円、5990円、7990円、9990円のセット価格(差額レンズ代金なし)の「NEWオールインワンプライス」で販売している。

 

ジェイアイエヌは、従来、視力矯正のための用具と考えられていたメガネを「アイウエア」と呼んで、ファッションアイテムとしてコーディネートするというコンセプトを掲げた。これが消費者に受け入れられた。さらに、ショッピングセンター内への出店を中心としていて、その顧客層とマッチして、成長を続けてきた。

 

最近は「非視力矯正市場」の開拓に力を入れており、パソコンやスマートフォンなどの情報機器が発する目の負担となる波長の光「ブルーライト」をカットする「JINS PC」、ドライアイ対策の保湿メガネ「JINS Moisture(モイスチャー)」など機能性アイウエアを積極展開している。

 

ジェイアイエヌの業績は、2013年8月期で売上高365億円(前年同期比61.6%増)、営業利益62億円(同136.3%増)、経常利益58億円(同130.0%増)、当期純利益34億円(同213.8%増)。国内直営のアイウエア専門ショップは同期末で205店舗。

 

ジェイアイエヌの海外進出は2010年10月の中国に続いて2カ国目。中国では2013年8月末現在15店舗を出店している。

 

日本の小売業のアメリカ進出では、今月19日にニトリホールディングスが「Aki-Home」でロサンゼルス郊外に2店を同時出店する。それに先駆けて、ダイソーは2005年10月にシアトルに第1号店をオープン、ユニクロは2005年9月にニュージャージーに初出店している。

 

東南アジアばかりでなく、流通先進国アメリカにも目が向いてきた。それだけ日本の小売・流通業が競争力を持ち、洗練されてきたことを示している。

 

 

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