老舗ビデオレンタル店、全直営店閉鎖へ
「ビデオレンタル」というホームエンターテインメントの終焉が目前まで迫ってきている。
アメリカの老舗ビデオレンタルチェーンのBlockbuster ブロックバスターが6日、
来年の1月上旬までに全直営店を閉鎖すると、
親会社である衛星放送会社のDish Networkが発表した。
ブロックバスターは2010年9月に連邦破産法11条を申請し、
その後ディッシュ・ネットワークに落札され、
不採算店舗は次々と閉鎖されてきた。
しかし、ブロックバスターの業績は回復することなく、
今回、すべての直営店が閉鎖されることとなった。
ちなみにFC契約やライセンス契約の店はそのまま存続する。
ブロックバスターは全盛期の2004年には約9000店舗以上を展開し、
ビデオレンタルマーケットを独占する巨大チェーンであった。
積極的に海外にも展開し、日本にも1991年~99年の間、一時進出していた。
わずか10年の間に、なぜここまで衰退してしまったのか。
一言でいえば、時代に乗り遅れたのである。
DVDの宅配レンタルサービスにも
インターネットでのオンデマンド配信サービスに力を注いできたが、
いずれもライバル会社よりも導入が遅れ、
導入したころには時すでに遅し。
実店舗ではマーケット・リーダーだったブロックバスターは、
宅配レンタルやネット配信などの新サービスではマーケット・フォロワーとなってしまった。
それがブロックバスターの敗因。
「全直営店を閉鎖し、宅配レンタルビジネスからも撤退するという判断は
けっして簡単なものではなかった。
しかし、消費者の求めるエンターテインメントは確実にデジタル配信に移行しているのだ。
私たちの物流要素を持つビジネス部門は終息するが、
『ブロックバスター』というブランドにはまだ価値がある。
この知名度を活用し、デジタルサービスの提供を拡大していく」
ディッシュ・ネットワークCEOのジョセフ・クレイトンはこのように語るが、
SteamingMedia.comのアナリストの見方は厳しい。
「ブロックバスターにはもはやブランド価値はない。
消費者がこのブランドから離れていってもう何年も経っている」
アマゾンやアップル、グーグルまでもがデジタル配信に参入する中、
ブロックバスターの先行きは危ぶまれる。
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