消費増税 小売業の8割「悪影響」帝国DB調査

安倍晋三首相が、来年4月の消費増税の方針を固めた。これで予定通り税率は5%から8%へと3%アップする。

 

一方、この増税により業績に悪影響があると考える企業は過半数の55.3%。帝国データバンクが行った「消費税率引き上げに対する企業の意識調査」の数字だ。調査対象企業数は全国の2万2760社。うち48.8%にあたる1万1114社から有効回答を得た。

 

過半数の企業が悪影響を想定しているが、その数字は昨年7月実施の前回調査から11.8ポイント減少している。これは、景気が上昇傾向にあり、企業のマインドも改善したため。

 

しかし、小売業では「悪影響」と回答した割合が80.5%と全業界で最も高かった。農林水産業も73.3%で続く。つまり、消費者に最も近い業界と、生活必需品である食料品の生産を担う業界。

 

過半数の企業が悪影響を懸念しているものの、52.5%の企業は「特に対策を行う予定はない」と回答。対応済み、または来年3月までに何らかの対策を行うと答えた企業は26.4%。大企業は33.5%が対応済みか来年3月までに対応する予定だが、中小企業は24.2%にとどまる。

 

具体的な対策は「財務会計や販売管理など基幹システムの改修」が最多の47.3%。次いで「経過措置の把握」が41.0%(複数回答可)。

 

また、取引先から消費増税を理由とした値下げ要請があった場合、「承諾しない」と回答した企業は33.1%で3社に1社にとどまった。半数近くの46.0%の企業が「条件や企業との関係性による」とし、「承諾しない」と答えた企業はわずか5.9%だった。

 

ちなみに「承諾する」と回答した企業の割合が高かった業界は、不動産業14.3%、小売業9.1%、農林水産業8.0%など。いずれも平均を上回った。

 

建設業、不動産業、小売業、卸売業の4業界では、半数以上の企業が「すでに駆け込み需要がある」あるいは今後出てくると回答した。

 

駆け込み需要とその後の悪影響。つまり、意識されているのは「反動減」。

 

そのときのための対策は、いま立てなければ間に合わない。それでも、過半数の企業には対策の予定がない。

 

 

検索キーワード: 消費増税 帝国データバンク 消費税率引き上げに対する企業の意識調査

 

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