ヨーカ堂9カ所目のセブンファーム湘南設立
総合スーパーで、
生鮮食品のバーチカルマーチャンダイジングが、
進んでいる。
イトーヨーカ堂は今日17日、
全国で9カ所目となる農業事業会社「セブンファーム湘南」を、
19日に設立すると発表した。
ヨーカ堂の完全子会社で農業事業の中核会社は、
「株式会社セブンファーム」。
今回は、拠点となる神奈川県茅ヶ崎市の農業生産者と、
このセブンファームとの共同出資で、
セブンファーム湘南が設立された。
神奈川県では、
横須賀市の「セブンファーム三浦」に続き2カ所目となる。
2ヘクタールの農地に、
ホウレン草、小松菜、かぶ等の露地野菜約6品目を栽培する。
初年度の収穫量は約50トンを見込む。
収穫された野菜は県内の9店舗を中心に販売される予定だ。
セブンファームでは「環境循環型農業」を実施している。
これが大きな特徴。
セブンファーム湘南は、
イトーヨーカドー小田原店と県内のヨークマート2店舗、
さらにそごう・西武1店舗から食品残さを回収。
それを小田原市内のリサイクル施設で堆肥化して使用する。
そして、収穫された野菜がまた店舗で販売されるという循環。
セブンファーム湘南は、
冨里(千葉県)、つくば(茨城県)、三浦(神奈川県)、
深谷(埼玉県)、北海道、東海(愛知県)、東京、新潟に続いて9カ所目。
年度内に10カ所目を設立する計画で、
総作付面積は60ヘクタールになる見込み。
アメリカではホールフーズ マーケットやウォルマートが、
地元農家を支援して「LOCAL」(地産品)の農産物を提供することに積極的だ。
日本企業も、CSRとしてではなく、
採算の採れる事業として確立していく必要がある。
かつてチェーンストアは、
「工場を持たないメーカー」を志向した。
スペックで商品をつくるプライベートブランドを持つということだ。
しかしいまや、「農場を持つ小売業」になる。
故渥美俊一先生は、語った。
「チェーンストアは11店からだ、
10店までは支店経営だ」
セブンファームも湘南で9カ所。
渥美流の尺度を当てれば、
もう一歩で、チェーンストアのファームとして、
一人前になることができる。
どんな事業も、一歩一歩育てていくセブン&アイ・ホールディングス。
セブンファームも日本を代表する近代的な農場になるかもしれない。
検索キーワード:イトーヨーカ堂、セブンファーム、工場を持たないメーカー、環境循環型型農業