米国バック・トゥ・スクール商戦不調の原因
アメリカのバック・トゥ・スクール商戦。
7月下旬から9月上旬まで。
現在、展開中。
9月の新学期スタートに向けたプロモーションを、
小売業界挙げて行う。
11月第4木曜日から始まるサンクスギビングデー商戦から、
12月25日までのクリスマス商戦と並んで、
年間2大商戦の一つ。
日本の2大商戦は、お盆商戦と年末年始商戦。
その2013年の後半を占うバック・トゥ・スクール商戦は、
滑り出し大不調。
トムソン・ロイター調査の主要小売業の既存店売上高加重平均。
前年比プラス3.9%。
昨年の前年比はプラス6.4%だったから、
伸長率は半分くらい。
メンバーシップホールセールクラブのコストコ。
国内の既存店販売額はプラス3.0%。
計画はプラス5.3%だったから、これはかなりの落ち込み。
コストコの予想外の伸び悩みは、
他社にとってもっとひどい状況を予感させる。
新学期向け商品のなかで、
家電やパソコン・タブレットなどは伸び悩み、
ホームセンター商品、オフィスサプライは比較的良かった。
つまり高額品が不調で低額品が好調。
ドラッグストア10社の既存店売上高加重平均は、
プラス3.2%。
昨年のプラス5.2%からダウン。
衣料品チェーンでは、
ギャップの既存店はプラス1.0%。
バナー別に見ると、
ギャップがプラス7%、
バナナ・リバブリックがマイナス1%、
オールド・ネイビーがなんとマイナス5%。
ちなみに第2四半期の既存店売上高は、
ギャップはプラス6%、
バナナ・リパブリックはマイナス1%、
オールド・ネイビーがプラス6%。
ギャップに続く二番手のリミテッドは、逆に健闘。
既存店がプラス3%で、計画のプラス1.4%を、
2倍以上クリアした。
バナー別には、
下着チェーンのビクトリアズ・シークレットがプラス2%、
高級下着のラ・センザもプラス9%で、
それぞれ予測の1.4%増加を上回った。
バス&ボディー・ウォークスは6%プラス。
予測は0.5%プラスだったからこれも好調。
さて肝心のウォルマートは月別の売上高を発表していない。
しかし、好調ではない。
その証拠に、手を打った。
オンライン・セールでその不調に対応する。
名づけて「バック・トゥ・クラス・サイバー・マンデー」。
バック・ツー・スクールをバック・トゥ・クラスと言い換え、
この商戦で最も人気のある300アイテムを、最大6割引。
8月12日の月曜日に行われるから、
サイバー・マンデー。
11月下旬のサンクスギビングデー商戦のなかで、
最大の売上げをつくるのが金曜日のブラック・フライデー。
そのあとの月曜日がネット販売年間最大日の「サイバー・マンデー」。
これををもじって、夏のサイバー・マンデーをつくろうというアイデア。
「売り切れ御免」なので、
物流センターでの在庫が切れた段階でストップ。
そして在庫は全て吐き出す。
顧客はウォルマートのフェイスブック・ページを訪問し、
明日11日日曜から注文・決済をする。
用意される人気商品は、コンピュータ、タブレット、スマホ、
さらにスクール用品、ホーム用品、アパレルなど多岐に渡る。
さて、今年後半戦への滑り出し商戦。
どんな結果を招くか。
アメリカでは、秋になると、
10月31日のハロウィン商戦、
11月第4木曜日から始まるサンクスギビング商戦、
そして12月25日クリスマスに向けての商戦と、
3段階で大プロモーションが続く。
そのきっかけがバック・トゥ・スクールなのだが、
ウォルマートの動きをみていると、
リアル店舗がネット販売に押し込まれて、
後半戦のスタートをしくじったと見て、間違いないだろう。
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