ウォルマートnews|BLM運動に対応して美容商品の施錠棚での陳列を廃止
ウォルマート(アーカンソー州ベントンビル、ダグ・マクミロンCEO)の店舗では、地域によって美容商品を鍵のかかるケースに陳列している。このことについては以前から批判されていたが、BLM運動(Black Lives Matter、「黒人の命は大切だ」という意味で、アフリカ系アメリカ人に対する暴力や構造的な人種差別の撤廃を訴える、国際的な運動) が高まるなか、ダグ・マクミロンCEOはアフリカ系アメリカ人用の化粧品の施錠棚が差別にあたるとして撤廃した。
実際、ウォルマートは2018年にはカリフォルニア州でこの件で提訴されているが、判決前に訴訟が取り下げられたという経緯がある。
ウォルマートの広報担当者は、化粧品など一部の商品は盗難が多いため、4700店舗のうち10数店で施錠ケースに保管していたが、顧客の声を反映して撤廃したと述べている。
この発表後、ウォルグリーン、CVSヘルスも同様の措置をとると、AP通信宛のメールで述べている。
米国の小売業界では在庫商品の盗難が大きな問題となっている。全米小売業協会の2019年の調査によると、盗難や万引きによる被害額は業界全体で506億ドル(1ドル100円換算で5兆600億円)上ると推定されている。
ウォルマートをはじめ多くの小売チェーンでは、商品のカテゴリー別に盗難率を出して対応策を講じている。電子機器、自動車用品、化粧品などの盗難が多く、予防対策として施錠ケース、監視カメラ、音の出るカバーなどを用いている。今回のケースは特定の顧客を対象としていたとして問題になった。
ウォルマートのダグ・マクミランCEOは6月5日の会議で差別反対の立場を表明している。
〈ダグ・マクミランCEO〉