ウェグマンズ 調剤部門で200言語に対応するサービス開始
アメリカのウェグマンズが、英語を話せないお客とコミュニケーションするための新サービスを昨秋から調剤部門で導入し、活躍している。このサービスを使えば対面しながらリアルタイムで200以上の言語で対応することが可能だ。
ウェグマンズが導入したのはLanguageLine Solutions社の通訳サービス。
お客が英語でのコミュニケーションに支障があるとわかると、まず薬剤師はお客の言語を特定するためのシンプルなカードを提示する。そしてお客が自身の使用している言語を指し示す。次に、2つの受話器を備えた店頭の電話を利用して、その場で薬剤師とお客が通訳者を介してリアルタイムに会話できる仕組みだ。
このシステムは実際の店舗で大活躍している。ウェグマンズの薬剤師ミッチェル・スコッツァーロさんは、LanguageLineを使って会話をしたお客に心臓発作の兆候があることを発見。本人の同意を得た上で救急車を呼んだ。すごいのは、救急車の隊員ともこの仕組みを使ってコミュニケーションができたということだ。
このシステムを提供するLanguageLine Solutions社は、電話や対面、ビデオ会議などでの通訳をはじめ、翻訳サービスも手掛けており、200言語以上に24時間年中無休で対応する。本国アメリカのほか、イギリス、カナダ、メキシコ、プエルトリコ、コスタリカ、ドミニカ共和国でも事業を展開している。
昨3日の日本経済新聞朝刊は、「外国人活用どこまで」と題して3面で日本の労働人口減少の問題を取り上げていた。その中で、日本では一般的に英語が通じないことが外国人労働者を受け入れる障壁になっているとの指摘があった。
たしかに生活ができなければ労働することもできない。こうした通訳技術が誕生し、日常生活に必須の小売店舗で普及するところに、多民族国家アメリカの真骨頂がある。
2020年の東京オリンピック開催で多くの外国人を迎えることになる日本の小売り・サービス業にとっても、こうしたサービスは必須のものになるに違いない。
ウェグマンズ・シニアヴァイスプレジデントのメアリー・エレン・バリスさんは、同社のフレッシュ・ストーリー・ブログへの投稿を次のように結んでいる。
「具合が悪いのは、決してうれしいことではありません。でも、そのときにコミュニケーションができなければ、恐ろしいことです。私たちはお役立ちできることを、うれしく思います」
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