米アマゾン 新サービス「Amazon Dash」をスタート
アメリカのアマゾン・ドット・コムは4日、加工食品と家庭用品のオンライン販売サービス「Amazon Dash」をスタートした。このサービスは音声認識機能と商品バーコード読み取り機能を備えた携帯型端末を利用するもので、顧客は忙しい家事の合間を縫って購入商品をショッピングリストに簡単に追加することができる。アマゾンは現在、アメリカ国内の一部地域で農産物と加工食品の配送サービス「Amazon Fresh」を提供しており、新サービスはFreshの付加サービスとして試験的に開始した模様だ。
アマゾンのFreshサービスは西海岸の南カリフォルニア、サンフランシスコ、シアトルの3地域で展開されている。今回のDashサービスはまだ試験運用段階で、Freshサービス利用者を招待する形で展開されている。アマゾンは今年中にアメリカ以外の国を含む約20都市でFreshサービスの導入を計画しており、Dashもこれに合わせて規模を拡大させる可能性がある。
Dashの携帯端末は白と黒のツートンカラーで、片手で持つことができるほどの大きさだ。アマゾンのウェブサイトでは、家事をこなす忙しい生活者のための端末で、台所のカウンターに置いたり、冷蔵庫に掛けたりして便利に利用するものだと説明している。この端末にはマイクロホンとスピーカー、それにバーコードリーダーが備わっていて、Wi-Fi経由で顧客のAmazon Freshアカウントに情報が直接転送される仕組みだ。アマゾンによれば、Dash端末はAmazon.comとAmazon Freshで販売している数百万点の商品を認識できるという。
一方、日本ではアマゾンジャパンが8日から酒類の直販を開始したばかりだ。従来の「お酒ストア」をリニューアルし、ワインや日本酒、焼酎、スピリッツ、ビールなど5000種類以上を追加。計15万種類を超える品ぞろえを実現した。ビール(350ml)は1缶当たり200円を切る価格設定で、スーパーマーケットの店頭と同水準で販売している。将来的には日本にも食品販売サービスのFreshを導入して、総合的なオンライン・スーパーマーケットとして展開する可能性もある。
店舗や商品という「モノ」を起点に思考する従来の小売業とは異なり、アマゾンなどのオンライン小売業は「あったらいいな」という機能を実現することを主眼にビジネスを組み立てるIT系企業特有のスタイルを持っている。
いま盛んに言われる「オムニチャネル」は、前者と後者の長所を融合することに他ならない。
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